いよいよWBCが始まる。いち野球ファンとして、予想以上に盛り上がっているのに驚いている。やはりメジャー組、特にダルビッシュ有と大谷翔平の参加の影響が大きいのだろう。
そんな私は、WBCの試合結果もさることながら、ダルビッシュが侍ジャパンの若手選手たちとコミュニケーションする結果に期待したいと思っている。まずは『週刊ベースボール』(3月6日号)より。
続いて、『週刊文春』(3月2日号)に掲載されたドラゴンズ・髙橋宏斗のダルビッシュ評。
若手選手たちが、憧れのダルビッシュと間近に接して、大いに触発されていることがよくわかる2つの記事である。
そんなダルビッシュに私が期待したいのは、技術の伝授以上に、「言葉」の伝授だ。
最上級のプレーヤー(日本野球史上最高の投手と考える)でありながら、最上級の言葉を持った最上級の批評家ともいえるダルビッシュ。そんな彼の持つ最上級の言葉が広がれば、日本の野球界が、頂点から変わっていくと思うのだ。
かねて私は、ダルビッシュが記者会見やブログ、ツイッターなどで放つ言葉に注目してきた。今回はその中から、彼の繰り出す変化球以上にキレッキレな言葉を見ていきたい。
「戦争」のようなスポーツ観にNO
まずは今回のWBCについて。ダルビッシュは早々に、こんな言葉をまっすぐに投げ込んだ。
「絶対に負けられない戦いがそこにはある」――WBCの報道過熱の底辺には、この、よく使い回しされがちな芝居がかったコピーに表れる、まるで「戦争」のようなスポーツ観がある。
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