大学選びに際して、就職状況に対する関心は相変わらず高い。実就職率(就職者数÷《卒業者数-大学院進学者数》×100で算出)に注目すると、コロナ禍におけるオンラインを活用した就職スタイルの変化や、観光、航空など採用が止まった業種があったことなどから、2020年以降、各大学の就職率は下降気味だったが、2022年卒の大学の平均実就職率は、前年を0.8ポイント上回る86.0%となった。
景気は不透明でも人手不足の企業は多く、大学生の売り手市場が続く中、受験生やその保護者の関心は、「どのような企業に就職できるのか」。
多くの受験生や保護者が望む就職先は将来が見通せる有名企業だが、そのハードルは高い。リクルートワークス研究所によると、2022年卒の学生に対する全体の求人倍率1.5倍に対し、従業員規模5000人以上の大企業に限定すると0.41倍に急減する。
こうした狭き門の有名企業への就職は、「どのくらいの難易度の大学に行けば叶うのか」知りたいところ。そこで、有名企業はどのようなレベルの大学から入社しているのかを知るための指標として入社難易度を算出した。
「入社難易度」の算出方法
入社難易度は、駿台予備学校の協力を得て模試の難易度を用い、大学通信が各大学に有名企業427社への就職者数をアンケート調査している結果とあわせて算出した。427社は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定している。
算出にあたって、まず2022年の各大学・学部の難易度を、医学部と歯学部を除いて平均した値を大学個別の難易度として定めた。最高は東京大学の70.0で、以下、国際教養大学67.7、京都大学66.5、国際基督教大学65.0、早稲田大学64.8、慶應義塾大学64.7などが並ぶ。
この大学の難易度を基に、各企業の入社難易度を算出した。例えば、東京大から5人、国際基督教大から3人、早稲田大から10人の採用があったA社の入社難易度は、次のような式で求められる。(東京大×5人+国際基督教大×3人+早稲田大×10人)÷(5人+3人+10人)=66.7となる。この入社難易度を就職判明者10人以上の企業に絞ってランキングしたのが「入社が難しい有名企業ランキング」となる。同率で順位が異なるのは、小数点第2位以下の差による。
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