新名神「大雪で立ち往生」根本原因は何だったか 情報不足に不安…同じ過ちを起こさないために

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大雪が予想される場合、あるいはすでに降り始めた場合、高速道路とそれに並行する幹線国道のうち、どちらをどのタイミングで止めるのかは極めて難しい。場所も天気も毎回変わるため、これまでの経験は参考にはなっても、同じことをすればよいわけではない。

24日から25日にかけては、山陽・中国道が雪で閉鎖されていたこともあり、岡山県から兵庫県へ向かう国道2号線でも、25㎞にも及ぶ立ち往生が発生している。

どちらかを止めれば、もう一方にクルマが殺到して、結局身動きが取れなくなってしまう……。こんなことが、こちらでも起きていたのである。

一方を閉鎖すれば、他方にクルマが流れ込む (写真はイメージ:弘前・写心観 / PIXTA)

今回、名阪国道が閉鎖されたことにより、NEXCOが日本の東西を結ぶ大幹線である新名神を“できるだけ止めない”という方針を採ったであろうことは理解できるし、一気に増えた降雪量が尋常でなかったということもあろう。

NEXCOの担当者も、事後に「事前の降雪量の予測が社内基準に満たなかった」と説明している。しかし、結果としてはほぼ丸1日、身動きが取れないクルマが数千台単位で出てしまったという事実は重い。

「情報提供」で利用者のストレスは軽減する

今回の教訓はもちろんいくつもあろうが、「自分が閉じ込められるかもしれない」という立場に立つと、やはり「情報」がもっとも重要であると感じざるをえない。

まず、渋滞や立ち往生が起き始めていることを、これからその方向に向かうクルマに迅速に知らせる手段を確保すること。突然、立ち往生に出くわしたドライバーは、「ツイッターでは、数時間前からそうした情報がつぶやかれていたことを後で知った。もっと早く教えてもらえたら高速を降りたのに」と答えている。

カーラジオやスマホなどに、こちらから情報を取りにいかなくてもプッシュ型で最新の状況を遅滞なく届ける仕組みが必要だ。

もう1つは、止まってしまったあとの情報の伝え方である。止まってしまったクルマのほとんどは、先頭で何が起きているかがわからない。除雪や身動きが取れない車両の移動は行われているのか、復旧の見通しや、スマートインターチェンジや緊急用の出入口を使うといった復旧の方法は検討されているのかといった情報が逐一入ってくれば、待つほうのストレスも軽減される。

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