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金利上昇で近づく金融危機、ヤバいのは日本だ 「たいして上がらない」という発想は悪材料だ

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日本橋にある日本銀行本店の外観
(撮影:今井康一)

巨大な地政学リスクは言うに及ばず、物価と金利が大きく上昇していることを踏まえると、2022年に世界が大規模な金融危機に陥らなかったのはちょっとした奇跡だ。だが、超低金利時代が過去のものとなる中で公的・民間債務は記録的水準に膨らんでいるうえ、景気後退リスクも高まり、世界の金融システムは巨大なストレステストにさらされている。日本やイタリアといった先進国の危機を封じ込めるのは難しい。

確かに、強化された規制のおかげで銀行セクターのリスクは下がってはいる。とはいえ、これは金融システム内の別の場所にリスクを移し替えたにすぎない。

金利上昇のリスク

少し前に英国が見舞われた国債の暴落は、世界金利の上昇で顕在化する想定外のリスクがどのようなものかを示している。トラス前英首相は国債市場と年金システムがメルトダウンを起こしかけた責任をかぶることになったが、問題の元凶は年金基金の運用責任者が「長期金利が急速に上がることはない」と思い込んだことにあった。

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