定年後、ギスギス夫婦とのびのび暮らす夫婦の差 70代で元気な人が実践「つかず離れず婚」のススメ

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相手に「こうなってほしい」と言うのではなく、「お昼はこれからは外で食べることにする」などと、自分のやりたいことを伝えるのもいいと思います。

宣言するタイミングで、次回記事で解説する「プチ家出」を実行するのも選択肢の一つです。

「つかず離れず婚」を楽しむコツ

ここからは、「つかず離れず婚」を楽しむための具体的な方法やコツについてお伝えしていきます。

本書では生活の中のちょっとした工夫から、大がかりな改革案まで幅広く紹介しています。ご自身の望む暮らしをイメージする上で参考になさってみてください。

なかには、すぐにでも生活に取り入れられるアイデアも見つかるかもしれません。

70代夫婦は寝室を分けて熟睡しよう

「もし夜中にお互いの体の異変があったら……」と、同室に寝るシニア夫婦も多いでしょう。でも、夫婦それぞれ別室に寝たほうがかえって熟睡できて、体調がよくなることがあります。

なぜなら、相手のいびきや寝返りの振動が気にならない上に、エアコンの温度や電気の明るさも自分好みに調整できるため、睡眠の質が上がりやすくなるからです。

老年精神科医として、多くの高齢の患者さんと接していると、「以前よりも寝つきが悪くなった」「途中ですぐに目が覚めてしまう」など、睡眠にまつわる悩みを抱える人を非常に多く見かけます。

人は寝ている間に疲労回復や体内の細胞の再生・修復が行われます。言い換えると、質のよい睡眠がとれないと免疫力が低下する恐れがあります。

ですので、特に睡眠の悩みを抱えている方は、自分がよく眠れる環境を整えることが何より大切です。

寝室を分ければ、就寝時間や入眠までの過ごし方を相手に合わせなくていいのも大きなメリットの一つ。寝る直前まで映画や読書を楽しみたい人もいれば、早々に電気を消して爆睡したい人もいますから。

お互い元気に過ごせる今のうちに、夫婦で寝室を分ける喜びを味わい、プライベートタイムを堪能してみてはいかがでしょう。

一部屋を分けるセパレート寝室もあり

いきなり寝室を分けることに抵抗がある人や、空き部屋がない場合は、一つの部屋を仕切りで分けるという方法もあります。

70代は男も女もやりたいことをおやりなさい
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例えば、ベッドや布団の間にパーテーションや収納棚を置いて、空間を2つに分ける。いわゆる「半個室」状態をつくるのです。

そうすれば、ひとりの空間が確保できて、睡眠の質もある程度保たれますし、完全に別室ではないので、お互いの存在を感じられるメリットもあります。

プチリフォームにはなりますが、寝室の中央に可動式の間仕切りを設置して、寝る時だけ扉を閉めるというワザもあります。

相手との空間を時々仕切って、時々つながる。ほどよい距離感を求める人に打ってつけです。

関連記事:医師はミタ!夫婦仲悪化で「不調」熟年夫婦の現実

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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