日銀ショック!金利上昇で株価上がる業種はどこ 統計的手法で「上がる業種」「下がる業種」を抽出
12月20日の日経平均株価は669円安と急落、2カ月ぶりに2万7000円を割り込んで2万6568円になりました。株式市場では、今回の急落は「日銀ショック」とも呼ばれています。日銀が10年物国債利回り(長期金利)の「上限」を0.25%程度から0.5%程度に拡大すると発表したことで株価が下落したからです。
日銀は金融緩和の一環で、10年物国債を随時買って長期金利が「上限」を超えて上昇しないように調節しています。その上限が高められたわけですから「これまでの大規模な金融緩和政策の転換。事実上の利上げ」との見方も少なくありません。日銀の決定に対して株式市場はネガティブな反応が続き、翌日以降も株安となりました。日経平均株価は2万6500円も割れて推移しています(26日現在で2万6405円)。
そこで今回は金利上昇が株価に与える影響を整理して、金利上昇の影響を受ける業界を探ってみました。
金利と株価はどう推移してきたのか
まずは、金利と株価の推移を確認しましょう。図表1では10年物国債の利回り(長期金利)と日経平均株価の推移を見たものです。注目のポイントは2012年11月14日に民主党の野田首相(当時)が衆院解散に踏み切る考えを表明してから、自民党の政権復帰への期待で日経平均株価が上昇トレンド入りしたことです。背景にはアベノミクスの最大の経済対策と見られている「大胆な金融政策」があります。
アベノミクスを実現するため、2013年4月以降、日銀の黒田総裁は、デフレ脱却を目指して強力な金融緩和策を発動してきました。これが「黒田バズーカ」と言われるもので、合計3回発動されました。
第3弾では「民間の銀行が日銀にお金を預けると金利を取られてしまう(0.1%の金利分を支払う)」というマイナス金利が決定されて、当時の市場に大きなサプライズを与えました。そして2016年9月には、長期金利と短期金利の両方を超低金利に維持すると政策が打ち出されました。これが通称「イールドカーブコントロール」と呼ばれるものです。
図表1から、このような大規模な金融緩和政策が進むにつれて、日経平均株価が上昇していく「金利低下と株高」の関係が確認されます。
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