識者が厳選、これが22年「ベスト経済書・経営書」だ オーソドックスなテーマを問い直す名著に脚光
知っているつもり、理解しているつもりを、改めて問い直す──。先の読めない今だからこそ、そういった“足場固め”の需要が高まった。
不確実な時代を読み解く
コロナ禍が収束に向かい、かつての日常が戻るのではと期待された2022年。だが、ふたを開けてみれば、ウクライナ危機にインフレ、円安など、あらゆる“予想外”によりますます混迷を極めた年として過ぎていった。
そんな不確実な時代を読み解くための、2022年の「ベスト経済書・経営書」は何か。東洋経済では2021年に続き、識者などを中心にアンケート調査を実施した。
1位は東京大学大学院教授の渡辺努氏による『物価とは何か』。トップに挙げる人が7人に上り、上位書籍の中でも頭一つ抜ける票数を集めた。一般消費財や食品など、広範な値上げラッシュが巻き起こる中、タイムリーなテーマとして識者からも広く注目された。
2021年のベスト経済書・経営書では、上位タイトルに「ジョブ型雇用」「副業」「パーパス」「多様性」などのトレンドワードが目立った一方、22年は先の「物価」をはじめ、「資本主義」「格差」「雇用」など、オーソドックスなテーマを扱うタイトルが複数並んだ。
知っているつもり、理解しているつもりを、改めて問い直す──。先の読めない不安が募る今だからこそ、そういった“足場固め”の需要が高まっているのかもしれない。
▼アンケート回答(推薦)者 一覧
相川善郎(大成建設社長)、会田弘継(関西大学客員教授)、足立正道(UBS証券チーフエコノミスト)、石井敬太(伊藤忠商事社長)、上野泰也(みずほ証券金融市場調査部チーフマーケットエコノミスト)、内田衛(個人投資家)、大塚良治(江戸川大学准教授)、長田貴仁(流通科学大学特任教授)、角井亮一(イー・ロジット社長)、河野龍太郎(BNPパリバ証券チーフエコノミスト)、清水久三子(AND CREATE代表、人材育成コンサルタント)、田中道昭(立教大学ビジネススクール教授)、常見陽平(千葉商科大学准教授、働き方評論家)、土居丈朗(慶応大学経済学部教授)、中川寛子(東京情報堂代表、住まいと街の解説者)、中里透(上智大学准教授)、中沢孝夫(福井県立大学名誉教授)、櫨浩一(学習院大学非常勤講師)、橋本努(北海道大学教授)、原田泰(名古屋商科大学ビジネススクール教授)、増田貴司(東レ経営研究所エグゼクティブエコノミスト)、枩村秀樹(日本総合研究所調査部長)、美和卓(野村証券経済調査部長)、矢嶋康次(ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト)、吉崎達彦(双日総合研究所チーフエコノミスト)
(五十音順、敬称略)▼アンケートの概要
有識者(企業経営者、学者、市場関係者、東洋経済オンライン執筆者)に以下の条件で推薦書籍を挙げてもらった。経済書・経営書(2021年11月〜22年10月に出版されたものから1〜3位の3冊)。アンケートは22年11~12月に実施、有識者25人が回答▼ランキングについて
有識者の推薦順位を得点化(1位10点、2位8点、3位6点)し、その合計で集計
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