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幼稚園児が「論語」をスラスラ音読、驚き古典教育 いずみ幼稚園が「石井式国語教育」を導入する訳

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「漢字はかなより易しい」というコンセプトのもと、漢文や古文を音読する足立区のいずみ幼稚園。まだ内容を十分理解できない園児が、古典に触れる意義とは。

教室で『論語』を音読する園児たちと先生
いずみ幼稚園年長組では、先生の指し棒に沿って園児が『論語』の一文を音読していた(撮影:今井康一)

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「子曰(いわ)く、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知らば、以(もっ)て師と為(な)すべし」。

教室の前に貼り出された『論語』の文を先生が指し棒で示すと、園児たちがスラスラと元気いっぱいに読み上げていく。文章は訓点を付したのみで、ふりがなはないが、園児たちは自信たっぷりで迷いがない。楽しい遊びの延長線上にあるようにも見える。

ここは東京都足立区の私立・東京いずみ幼稚園。教育学博士・石井勲氏が提唱した「石井式国語教育」をカリキュラムに取り入れ、幼児にとって「漢字はかなより易しい」という考えの下、漢字かな交じり文を用いた言語教育を実践している。

ゲーム感覚で古典を覚える

取材時は「名文の一斉読み」として、年中組で松尾芭蕉の『奥の細道』、年長組で高村光太郎の『道程』を音読していた。

年長クラスで行われていた、百人一首のフラッシュカード。先生が下の句を出した瞬間、園児たちは声をそろえて上の句を暗唱してみせた。(撮影:今井康一)

ほかにも百人一首や四字熟語、ことわざなどの暗唱に取り組む。短い文章はフラッシュカードやかるたを使い、ゲーム感覚で覚えていく。

同園が石井式国語教育を取り入れたのは約40年前。小泉敏男園長はかつて学習塾で中学生らを指導した際、語彙力に乏しく、自分の考えを言葉に出せない子どもたちを目の当たりにした。

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