11月1日、ジャニーズ事務所・滝沢秀明副社長の退任、さらにジャニーズ事務所からの退社が発表された。長年活躍した芸能界を引退し、裏方に専念することが発表されてから約4年。突然の発表に驚いたというひとも多いだろう。このことは、ジャニーズの今後にどのような影響を及ぼすのか? ジャニーズの歴史を踏まえて考えてみたい。(文中敬称略)
裏方・滝沢秀明が成し遂げたこと
滝沢秀明という人間を語るうえで欠かせないのは、「ジャニーズJr.」という存在への並々ならぬ思い入れである。
芸能界引退後の滝沢秀明は、ジャニーズ事務所の副社長とともに、子会社である「ジャニーズアイランド」の社長を兼任してきた。今回、大きな意味を持つのは、副社長退任よりも、むしろこちらの社長から退くことだろう。
「ジャニーズアイランド」の主たる業務は人材の発掘と養成、具体的にはジャニーズJr.のプロデュースである。そのなかで滝沢秀明は、ジャニーズにとって必要と考える世代交代や新しい路線の開拓を進めるべく積極的に仕掛けてきた。
例えば、2020年1月のSnow ManとSixTONESの同時メジャーデビューは、そのひとつだ。2組同時デビューというのはジャニーズ初のこととして大きな話題を集め、CDなどのセールス面でも成功を収めた。この2組は、いまや多方面で活躍する人気グループへと成長した。
もうひとつ大きなこととして、つい先日の10月28日に実現したTravis Japanの世界デビュー(参考:『Travis Japan「世界メジャーデビュー」の深い意味』)もある。ジャニーズJr.としてかねがねダンススキルに定評のあった彼らがアメリカ武者修行を決意し、『アメリカズ・ゴット・タレント』出演など向こうでの活動を通してメジャーデビューにこぎつけた背景には、当然滝沢秀明の手腕があったはずだ。
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