「不倫体質の男女」似たもの同士再婚した2人の本音 自業自得も含め経験を重ねた2人だからこその選択

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2020年の冬に2人だけの結婚式を挙げたけれど私たちは勝手に夫婦を名乗っているだけです、とあっけらかんと語る美紀子さん。そんな彼女の隣で静かに笑っている修さんは長年連れ添った夫にしか見えない。

「どちらかが大病したときなどの病院関連の問題はありますが、現在ではパートナーだと言えばかなり融通が利くようになっているようです。修さんの娘さんが巣立ったら、修さんと一緒にうちのマンションで暮らすかもしれません。そうしたら住民票上は未届けの配偶者と記載できるので事実婚の証にもなります」

この結婚に関しては修さんのほうが積極的かつ過激だった。プロフィールとLINE上でのやり取りだけで美紀子さんに猛アタックして事実上のプロポーズをしたのだ。何が修さんをそこまで駆り立てたのか。

「正直言って、前の妻とは真逆の女性を求めていました。美紀子はとにかく明るく楽しい女性です。まさに僕の求めていたパートナーです」

水を差すわけではないが、美紀子さんぐらい明るく楽しい独身女性は世の中にたくさんいる。特に40代後半以降になると、いろいろな面でさばけて付き合いやすい人になることが多いと思う。修さんの場合は前妻との陰気な結婚生活が20年以上も続いていたので、他の女性への免疫が落ちていたのだろう。だからこそ、美紀子さんに衝撃を受けてあれこれ迷わずに突き進むことができた。つらい日々にも意味はあるのだ。

無口でも、いつも優しく温かいものを感じる

美紀子さんのほうも前夫と修さんを比較して、後者のほうが断然いいと感じている。とにかく穏やかでつねに機嫌がいい修さんの前では、喜怒哀楽が激しいと自覚している美紀子さんが「自分らしくドーンといける」のだ。それだけではない。

「この人はLINEでは饒舌なのに実際に顔を合わせるとほとんどしゃべりません(笑)。でも、私に対していつも優しく温かいものを感じます。LINEでは『思いやり合って、わかり合って、助け合って、許し合って生きていこう』と言ってくれました。とても印象に残っていて安心感があります」

会話に自信がない人が婚活をする場合は、どこまでも推敲できる文章でコミュニケーションを補うのも手かもしれない。美紀子さんのようなしゃべり上手が相手であっても自分から気持ちを伝えることは重要なのだ。

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