「外資企業では役立たず」な日本人エリートの盲点 「ヘッドハンター×大学教授」転職対談:後編
外資に転職する人が知っておかなくてはいけないこと
妹尾:私はヘッドハンターとして、日本の一流企業で活躍していた人を外資に紹介した経験は枚挙にいとまがありません。そんななかで、思ったような成果が出せない人の例を、少なからず目の当たりにしてきました。
うまくいかなかった人たちの場合、新しく入った会社での仕事のやり方を学んで、それを踏襲しようとすることに、必要以上の精力と時間を使ってしまうというケースが多く見られました。
一方、外資の場合、その人独自のやり方で、前任者以上の成果を出すことが求められます。わかりやすく言うと、「これまでのやり方は、今までいた人が考えたものなので、そんなものにはとらわれず、あなたはあなた自身のやり方で、より大きな成果を出してもらいたい」という期待のもと、新たな人材を受け入れるのです。前例を踏襲するだけでは期待外れになってしまうわけです。
つまり、外資では会社から与えられるものをこなすのではなく、自分自身で新たな道を切り開くことが求められるのです。自立心や自主的な開拓力に求められるレベルが、日本企業とは比較にならないほど高い。この点に対して理解が浅いと、日本の一流企業で大活躍していた人が、「期待外れの役立たず」の烙印を押されてしまう、ということになりかねません。