子どもの「早期教育」小学校受験しなくても必要か 学習意欲が飛躍する日常での親の関わり方3つ

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藤田:どんな場合にも、一番大切なのは、「親子の情緒的な結びつき」、これに尽きると思います。お子様の情緒や感情に寄り添うことが大事です。親が子のことを一番大事だと思っていることが伝わることですね。

お受験に取り組んでいますと、父母が、よもや試験官のようになってしまい、子供への◯×をつける存在になってしまうことがあります。これは良くありませんよね。

何より「子供が自分でできるようになっていく力があることを信じてあげること」が大切です。良くも悪くも、親の言葉は子供に影響します。「あなたはこういうところがあって、素晴らしいね」「こんな力があるね」と言って育てるとその通りになったりします。

逆に、他人の子と比較してできないことがあっても、焦らず長い目で見て、必ず良くなっていくことを、根拠なく信じてあげましょう。勘違いでもいいので、子供が「できる」と思って進んでいかせてあげることが大事だな、と感じます。

親の“教育にリターンを求める姿勢”が逆効果 

——自己肯定感ですね。お伺いしていて、まさにおっしゃる通りだと思うのですが、現実的に母親が働きながら、家では家事に追われつつ、そのような教育的意識を持って日々子供に接することは、容易ではないかもしれません。

良くないと分かっていても、限られた短い時間の中で、「子供に何をしたら一番効果的?」のように考え、子育てに効率とリターンを求めてしまうような、つい「下心ありあり」思考パターンに陥ってしまうこともあるのではないかと。 

(写真:Domani)

江藤:そうですね。教育・子育ての基本は、「今の積み重ね」であり、効率とはかけ離れています。ですが、現代の教育で最大の問題は、子育ての孤立化です。お母様が、効率的には進められない子育ての全てを、一人で請け負うのには時間的にも精神的にも限界があります。 

幼児教室は、そんな中の一つの手助けと捉えてもよいのではないでしょうか。受験のため、子供のためのお教室でありつつ、幼少期という大切な時期にある子育て中の母親のサポーターとしての利用もあると思います。また、お金をかけなくても、オンラインなどを利用すれば教育サポートのチャンスはありますので、家庭外にも頼れる先を見つけておくのはよいことかなと思います。 

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