J2岡山と地元バス「どちらも正念場」コラボの狙い 降車ボタンを押すと「ゴーーール!」の声が
降車用のボタンを押すと“ピンポン”の音の代わりに「ゴーーール!」の声が――。今期、悲願のJ1昇格へ「正念場」を迎えているサッカーJ2リーグのファジアーノ岡山を応援しようと、「バス事業存続の正念場」にあるという地元の交通事業者、両備グループはこの9月、車内外をファジアーノ仕様にした路線バスを岡山市内で走らせている。
同グループのバスユニット(グループ内バス運営各社の総称)は2022年初頭から、ユニークな装飾のバス運行によってコロナ禍で激減した乗客を取り戻そうという利用促進企画「宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト」を展開しており、これまでに車内をプラネタリウム風にしたバスなど6種を運行してきた。ファジアーノとコラボしたバスもその一環。はたして「存続の正念場」を救う効果は出ているのだろうか。
ホイールはボール模様に塗装
バスは、チームカラーである「ファジアーノレッド」をベースにエンブレムなどを描いたデザイン。両備グループの岡電バス(岡山電気軌道)の車両で、今回のコラボ企画以前から車体にラッピングを施していた。「この車両を使わない手はない」(担当者)と、ラッピングはそのままに外観の一部と車内を装飾した。
外観で新たに手を加えたのはタイヤのホイール部分だ。サッカーボール風に塗装しており、「ゴールに向かって進んでいく様子を表現」(両備ホールディングス・松田敏之社長)。車内は降車ボタンの音を「ゴーーール!」の音声に変えたほか、選手12人のサインやフラッグ、サッカーボールなどを飾り付けている。運転席背後のディスプレイでは、チームの歴史や過去のゴールシーンなどを紹介する車内限定映像も放映する。
担当者によると、通常運行しているバスを改装したため装飾の取り付けなどは運行開始の直前に実施。ホイールのサッカーボール塗装も「予算があまりない中、一生懸命ペイントした」(松田社長)という。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら