妻の「借金800万円発覚」で夫が深く反省した理由 金融リテラシー高め夫に欠如していたある感覚
3年日記は「妻とのいさかい」日記
僕は21年春から、こじれにこじれた我ら夫婦の歩みを振り返る文章を書き始めた。ジャーナリストとして活動するうち、脳を一番整理できるのは書くことになっている。文字にすることで夫婦関係を見直すベースにしたいと考えた。
僕にはもともと記録癖がある。同じ日付の日記を同一ページに3年分書ける「3年日記」は、すでに5冊を超えている。当然、妻とのいさかいの様子もつけている。夫婦喧嘩が増えるにつれ、まるで「妻とのいさかい」日記となった。この日記とは別に、借金問題の発覚や救急車事件の発生時には詳細な記録をまとめている。これらを資料として都度、参照した。
通常の仕事が終わった夜9時以降から深夜2時頃まで、自宅書斎にこもった。締め切りがある執筆ではないが、来る日も来る日もさぼらなかった。スタートは、妻との出会い。猛アタックの末の交際承諾、ラブラブ期間にプロポーズへと筆を進めた。そして、人生の節目の結婚式や新婚旅行、一緒に暮らし始めてからの日々へ。この間、記録媒体を引っ張り出し、デジカメやスマホで撮った大量の写真を見返した。我ながら完璧な仕事ぶりだ。
妻はどの写真でも輝いていた。その笑顔がまぶしい分、夫婦喧嘩で「鬼の形相」となる今との落差に胸が痛んだ。産んだばかりの長男、長女、次女を抱く妻は、慈愛に満ちた表情だった。その同じ女性が僕の左肩を脱臼させていた。でも、彼女の怒りの導火線に火を点けたのは、他でもない僕だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら