アーバンライナーは6両が基本編成。開発時は中間の2両を抜いて4両編成で運転することも想定していたようだ。ところが、需要が旺盛だったためにこの2両を増備用とし、6両編成の中間に差し込んで8両編成での運用を可能とした。増結用の両端には中間運転台があり、貫通路から見ることができる。これとは別に車庫での入れ換え用に簡易運転台が付いた車両がある。
1988年に通商産業省(当時)のグッドデザイン賞に選定された。1989年には鉄道友の会が前年デビューした最優秀の車両を選ぶ「ブルーリボン賞」を獲得した。同年のローレル賞はJR九州の783系で、こちらも前面の大型窓と流線形のデザインが特徴だ。
アーバンライナーは、国鉄の分割民営化・JR発足といった日本の鉄道の転換期のなかで誕生した車両でもあった。21000系は6両編成が11本、増結用2両編成が3本在籍する。
進化形「ネクスト」が登場
2003年には進化形の21020系「アーバンライナー・ネクスト」の6両編成2本が本格デビューした。座席は背もたれを倒すと座面後方が沈み込む「ゆりかご型」で、デラックス車両は名古屋寄りに1両のみとなり、1人掛け座席が通路を挟んで1席と2席並んだ「1+1+1シート」で、電動リクライニングと読書灯を採用した。
側面の窓の高さを従来よりも広げ、より開放感を持たせた。客室扉の上部には案内表示をするディスプレイを設置。デッキに喫煙コーナーを用意して全席禁煙とした。車いす対応座席や弧を描いた形状の多機能トイレなどバリアフリーに配慮したほか、女性専用トイレも設けた。ネクストもプラス同様、ブルーリボン賞とグッドデザイン賞をダブル受賞している。
以降、従来車両の21000系をネクストに準じた座席や車内設備に更新、「アーバンライナー・プラス」と名付けた。リニューアル後もデラックス車両の客室妻面には、街の灯りをイメージした「アーバングラデーション」のデザインの“名残”がある。
近鉄特急「アーバンライナー」
前へ
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アーバンライナーの先頭部は非貫通の流線形が特徴
(記者撮影)
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正面から見たアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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前照灯は前面ガラスの内側にある
(記者撮影)
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前面下部のオレンジのラインに標識灯兼尾灯
(記者撮影)
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真横から見た先頭部。鋭角になっているのがわかる
(記者撮影)
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一部を除き乗降扉は折戸になっている。右が乗務員室の扉
(記者撮影)
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側面の号車・行き先表示
(記者撮影)
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車いす対応車両のドアはプラグ式
(記者撮影)
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車いす対応車両のドアはプラグ式
(記者撮影)
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簡易運転台の窓。前照灯とワイパーも
(記者撮影)
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デラックス車両の車内
(記者撮影)
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山側は1人掛けシート2席が並ぶ
(記者撮影)
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デラックスシートはパーソナル感を高めた
(記者撮影)
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デラックスシートのテーブルは三日月型
(記者撮影)
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シートを回転するときは2席同時に動く
(記者撮影)
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テーブルは回転時にぶつからない形状となっている
(記者撮影)
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デラックスシート背面の車内設備案内
(記者撮影)
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後方から見たデラックスシート
(記者撮影)
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読書用のパーソナルライト
(記者撮影)
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電動リクライニングと読書灯は手元のスイッチで操作
(記者撮影)
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フットレストは靴を脱いで利用する
(記者撮影)
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フットレスト横の電源コンセント。パソコン・携帯電話用だ
(記者撮影)
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最後部の座席。後ろの化粧板に「アーバングラデーション」
のデザインが残る(記者撮影)
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街の灯りをイメージしたという「アーバングラデーション」
(記者撮影)
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喫煙コーナーを車販準備室にした
(記者撮影)
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男性用トイレと洗面台
(記者撮影)
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洗面台には近鉄名物の「おしぼり」
(記者撮影)
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左は洋式トイレ
(記者撮影)
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レギュラー車両は2人+2人の座席配置
(記者撮影)
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レギュラーシートも「ゆりかご式」
(記者撮影)
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後方から見たレギュラーシート
(記者撮影)
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窓側の足元にある電源コンセント
(記者撮影)
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飲料の自動販売機
(記者撮影)
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カード式公衆電話があったスペース
(記者撮影)
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男性用トイレ(左)と女性用トイレ
(記者撮影)
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車いす対応席
(記者撮影)
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車いす対応席のある車両の客室扉は両開き
(記者撮影)
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車いす対応席のある車両の乗降扉はプラグ式
(記者撮影)
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弧を描く形状の車いす対応の多目的トイレ
(記者撮影)
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左下のボタンを押すとドアが全開する
(記者撮影)
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車いす対応の多目的トイレ。ドアが全開した状態
(記者撮影)
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右側のボタンでは客室から見えないように半開になる
(記者撮影)
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扉近くのおしぼりコーナー
(記者撮影)
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扉近くのおしぼりコーナー
(記者撮影)
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ドアが開く側を示すランプ
(記者撮影)
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デッキにある喫煙室
(記者撮影)
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デッキにある喫煙室
(記者撮影)
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運転席越しに前面展望が楽しめる
(記者撮影)
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運転席越しに前面展望が楽しめる
(記者撮影)
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アーバンライナー・プラスの運転席
(記者撮影)
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アーバンライナー・プラスの運転席
(記者撮影)
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最高速度は時速130km
(記者撮影)
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運転室のスイッチ類
(記者撮影)
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運転室のスイッチ類
(記者撮影)
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運転室のカーテン
(記者撮影)
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運転室のカーテン
(記者撮影)
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非常灯のみが点灯した状態
(記者撮影)
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アーバンライナーが並ぶ富吉車庫
(記者撮影)
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車両基地内を移動するアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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車両基地内を移動するアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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大阪寄りの先頭にはパンタグラフ
(記者撮影)
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車いす対応席のある車両のプラグドア
(記者撮影)
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側面の連続窓も特徴の1つ
(記者撮影)
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折戸になった乗降扉
(記者撮影)
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わずかにのぞく簡易運転台の窓と前照灯
(記者撮影)
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リニューアルで名古屋寄りの先頭1両のみが
デラックス車両になった(記者撮影)
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パンタグラフは下枠交差式
(記者撮影)
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アーバンライナー・ネクストの運転席。近鉄名古屋を
発車した回送列車の後方の展望(記者撮影)
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アーバンライナー・ネクストの運転席
(記者撮影)
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米野車庫に入るアーバンライナー・ネクスト
(記者撮影)
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洗車機を通過するアーバンライナー・ネクスト
(記者撮影)
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洗車機を通過するアーバンライナー・ネクスト
(記者撮影)
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洗車機を通過するアーバンライナー・ネクスト
(記者撮影)
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アーバンライナー・ネクストの展望デッキ
(記者撮影)
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アーバンライナー・ネクストの先頭部
(記者撮影)
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正面から見たアーバンライナー・ネクスト。前面に
オレンジのラインはない(記者撮影)
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中央にピラー(柱)がない大型曲面ガラス
(記者撮影)
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側面のアーバンライナー・ネクストのロゴ
(記者撮影)
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座席表布が新しくなったアーバンライナー・ネクストの
デラックスシート(記者撮影)
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新しい座席表布のデラックスシート
(記者撮影)
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新しい座席表布のデラックスシート
(記者撮影)
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新しい座席表布のレギュラーシート
(記者撮影)
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運転席はレギュラーシートと同じ柄
(記者撮影)
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車内の案内ディスプレイ
(記者撮影)
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アーバンライナー・ネクストの
側面の号車・行き先表示(記者撮影)
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伊勢中川の短絡線を通過するアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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伊勢中川の短絡線を通過するアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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短絡線から名古屋線に入るアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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伊勢中川の短絡線を通過するアーバンライナー・プラス。
右側が名古屋線(記者撮影)
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伊勢中川駅付近を走るアーバンライナー・プラス
(記者撮影)
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名古屋線を走るアーバンライナー・ネクスト
(記者撮影)
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名古屋線を走る80000系「ひのとり」
(記者撮影)
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ひのとり開発時に試験塗装したアーバンライナー
(写真:近鉄)
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試験塗装したアーバンライナー
(写真:近鉄)
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