「最大実力者」安倍氏死去で自民党はどう変わるか 憲法改正、金融緩和で「カリスマ」不在に

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憲政史上最長の政権を担った安倍晋三元首相(写真:尾形文繁)

戦後日本政治の中でも最大級の衝撃

安倍晋三元首相が遊説先の奈良市内で銃撃され、死去した。安倍氏は首相退陣後に自民党最大派閥を率い、岸田文雄政権に大きな影響力を持つとともに、憲法改正や防衛費増額、金融緩和政策の継続などを主張していた。安倍氏が死去したことで、自民党内の力学が変化し、岸田政権の政策をめぐる攻防の構図も大きく変わりそうだ。

安倍氏は7月8日昼前、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で演説している最中に銃撃され、病院に救急搬送されたが、同日夕、死去した。失血死だった。撃ったのは元海上自衛隊員の山上徹也容疑者。

「特定の宗教団体に恨みがあり、その宗教団体と関係がある安倍氏を狙った」などと供述しているという。

参院選挙のさなか、言論活動を暴力で封殺しようという行為は断じて許されない。与野党は「テロに屈しない覚悟」を共有し、民主主義の根幹である言論活動を守る姿勢を貫く必要がある。

自民党の最大派閥を率い、憲法改正を掲げ、外交・安全保障や経済政策でも大きな影響力を維持している安倍氏。その命が奪われたことは、政局と政策の両面で戦後日本政治の中でも最大級の衝撃をもたらしている。

次ページあらためて安倍政権を振り返ると…
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