家電量販ラオックス、業態を大転換した背景事情 トップが語るインバウンド回復の「手応え」

✎ 1〜 ✎ 231 ✎ 232 ✎ 233 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

かつて家電量販店を営んでいたラオックス。中国資本の傘下に入り、免税店主体に事業を切り替えていたが、コロナ禍が直撃した。アジア食材専門店やギフト事業で復活を図ろうとしている。

アジア食材専門の「亜州太陽市場」の2号店が7月8日、東京・千歳船橋にオープン。アジア14カ国・地域の食材約2000種類がそろう(記者撮影)
かつて家電量販店だったラオックスは2009年に中国資本に買収され、2010年以降は中国人観光客向け免税店主体に業態転換した。
だが、団体旅行から個人旅行という顧客の動向変化に手間取っていたところ、2020年にコロナ禍で外国人観光客が消え去り、2021年12月期まで4期連続で最終赤字に沈んだ。
どのように経営を再建するのか。コンサルティング会社や外資系流通を経て2021年にラオックス社長に就任した飯田健作氏に聞いた。

アジア専門店を相次ぎオープン

――ラオックスといえば、近年は中国人観光客向け免税店が主力でしたが、2021年末から新業態店をオープンしています。

2020年初にコロナ禍が発生し、外国人観光客が消失した。主力事業である免税店の売り上げがほぼなくなり、すべて閉店、休業した。その後、新しくアジア食材専門の「亜州太陽市場」とアジア化粧品専門の「ラオックス ビューティ エアポート」を開発した。

太陽市場は2021年11月に吉祥寺に1号店を開業した。7月8日に世田谷区・千歳船橋に2号店をオープンし、7月中に浜田山にも出店する。千歳船橋店はアジア14カ国・地域の食材約2000種類、麺類だけで約200種類、調味料約200種類をそろえた。

ラオックスは、中国を中心にアジア出身の従業員が多い。現地事情に通じた彼らの力を借りて、ほかでは見られない、多彩な商品ラインアップだ。日本に住んでいる方、とくにファミリー層をターゲットにしている。

吉祥寺では大成功で、お客様からの熱い支持をいただき、初月から償却前では黒字を実現している。ビューティ エアポートは来ていただいたお客様には大好評だが、来店客の絶対数が少ない。手を加えているが、どうなるかまだわからない。

――太陽市場がラオックスの業績に貢献し始めるのはいつ頃でしょうか。

次ページインバウンドは戻ってくる
関連記事
トピックボードAD