有料会員限定

選挙後の岸田政権を襲う「悪夢の3年」のシナリオ 出生率悪化で年金「将来給付50%割れ」に現実味

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

出生率の悪化に伴い、このまま行けば将来の年金給付水準が悪化するのは避けられない。選挙後の岸田政権を襲う悪夢のシナリオとは。

参院選が終われば、岸田政権がこれまで封印してきた新人口減少ショックに端を発する公的年金と医療改革の“炎上”に直面することは免れない(写真:PicStyle / PIXTA)

特集「人口減サバイバル」の他の記事を読む

東京・霞が関の合同庁舎第5号館にある厚生労働省大臣室。同省年金局幹部が後藤茂之厚労相に話を切り出した。

「出生率の悪化により、次の財政検証では将来の年金給付水準(所得代替率=現役世代の手取り収入に対する年金額の割合)が50%を割るのは間違いありません。そのまま何もしなければ、政権は倒れかねません。将来給付水準を改善する答えを用意しておくことが重要です」。それを聞いた後藤厚労相は「そうだよな」とうなずくしかなかった。

選挙後、封印してきた「難題」が一気に噴出?

7月10日の投開票日が近づく参院選。そこで勝利を収めるまでは、メディアに批判されようが難しい課題は先送りし、安全運転に徹してきたのが、岸田文雄政権だ。

次ページ政治と社会保障改革の主な日程
関連記事
トピックボードAD
トレンドライブラリーAD
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
人口減サバイバル
データで見る「日本の人口減」あまりに厳しい現実
出生数はピークの3分の1、生涯未婚は30年で5倍
出生率悪化で年金「将来給付50%割れ」に現実味
日本の少子化は多少の支援拡充では解決しない
岸田政権は「子ども予算倍増」も財源論は曖昧だ
「人口減は日本を滅ぼす、古い家族観を見直せ」
SNSでは「就活の参考」「産め圧力になる」と賛否
少子化対策に詳しい中京大・松田茂樹氏に聞く
20年前の「消滅危機」乗り越え町のサービス維持
超高齢社会に向けた医療改革も医師会は大反対
香取照幸×権丈善一「キーマン」2人が語り尽くす
低賃金に円安加速、労働者は韓国や台湾に行く
家族社会学者の落合恵美子教授に聞いた
ごく普通の「幼児教育」が日本財政に与える好影響
家族の経済学に詳しい山口慎太郎氏に聞いた
「アジアの後進国化」回避のカギはシニアのDX
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
元厚生労働省事務次官の村木厚子氏に聞いた
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
東洋経済オンライン有料会員のご案内