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東北の地方銀行で現実味を帯びてきた「大同団結」 青森銀行とみちのく銀行「経営統合」の余波

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徐々に加速し始めた地方銀行の再編ドミノ。全国のエリア別にその最前線を追った。今回は東北編。

3度目の公的資金の注入を検討しているきらやか銀行(写真:時事)

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青森銀行とみちのく銀行が2022年4月、経営統合し共同持ち株会社プロクレアホールディングス(HD)が発足した。両行は2025年1月をメドに合併する計画で、独占禁止法特例法の適用事例第1号でもある。

合併を後押ししたのは、みちのく銀が抱える公的資金だった。現在200億円の公的資金が残っており、返済期限が2024年9月に迫っている。それまでに何としても返済のメドをつける必要があったわけだ(2021年度の全国99行の地銀決算から作成した「衰弱度」総合ワーストランキングはこちら)。

「北東北大連合」の形勢を意識した動きも

この統合は、東北の再編に火をつける可能性がある。まず注目されているのが、青森銀行・秋田銀行・岩手銀行の北東北大連合の可能性だ。

ある地銀関係者は、「青森銀は、みちのく銀との統合よりも3行統合への興味が強かった」と明かす。実際、3行はATMの相互開放やイベントの共同開催など、多分野で連携してきた。連携はすでに20年以上にわたり、勝手知ったる間柄なのだ。

足元では、これを意識したと思われる動きも出てきている。2021年10月に秋田銀と岩手銀が包括業務提携「秋田・岩手アライアンス」を結んだのだ。

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