ノーネクタイのシャツといえば「襟先が浮かないボタンダウンカラー」。この工夫はもはや常識かもしれませんが、シャツの「生地感」と「前立て」が印象に及ぼす影響はあまり知られていません。
光沢あるブロード織りの白シャツは、スーツ姿によく合います。ですが第一ボタンを開けたシャツの着こなしでは「別の法則」が求められます。というのも柔らかなシャツでは「首下の生地がクシャっと折れてしまう」からです。
そこで今回はノージャケット姿を格上げする「シャツの工夫」について、延べ4800人以上のビジネスマンの買い物に同行してきた服のコンサルタントがお伝えします。
ボタンダウンなのに、だらしなく見える理由
襟先がピョコっと浮かないように「ボタンで襟を留めた」ボタンダウンカラーシャツ。16年目のクールビズを迎え、もはや常識ともいえる工夫です。ところがノーネクタイ姿を凛と見せるには、この工夫では十分とは言えません。
綿100%という同じ素材であっても、織り方で生地感が変わります。ビジネスシャツの基本ともいわれるブロード織りは、第一ボタンを開けて着たとき「襟の重さに生地が耐えられない」のです。その結果、「クシャっと歪んでいる首元が気になる」という感覚を経験したビジネスパーソンは少なくないのではないでしょうか。
これは「生地感の問題」です。ショップのクールビズコーナーに並ぶ専用シャツ。その多くは「襟型の工夫」が施されていますが、生地についてはウォッシャブル・防シワ・ストレッチという機能に終始したものばかり。
なぜかシャツ姿がパッとしないビジネスマンは「生地の張り感」という視点を見落としているのです。
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