アイス好きな人に知ってほしい「売れ筋」のキモ トップ3商品は定番、自粛下での売れ行きは?
外出自粛や各施設の営業自粛も緩和され始め、徐々に日々の活動も戻りつつある。とはいえ、新型コロナウイルス感染拡大防止への警戒感は続き、多くの社会人はリモートワーク中心の日々だろう。
巣ごもり消費と言われる中、東洋経済オンラインでも「コロナで『売れた』『売れなくなった』商品TOP30」(2020年5月8日配信)などを紹介してきた。
今回は、筆者が定点観測してきた「家庭用アイスクリーム」について紹介したい。家庭用とは、全国各地のスーパーやコンビニなど小売店で買えるアイスを指す。合わせて、現時点で最新となる数値データやブランド別のトップ10も掲げた。
強いブランドの人気の秘密は何か。上位3ブランドに絞って考察してみた。
陽気のよい日の5月は絶好調
「5月中旬までは陽気のよい日も多く、家庭用アイス全体では対前年比で約120%の売れゆきとなりました。コロナの影響でリモートワークなど、在宅での仕事が中心となり、家庭で過ごす時間が増える中、アイスの売り上げは好調です」
アイス業界の動向に詳しい、アイスクリームプレス編集長の二村英彰氏はこう話す。
家庭内での「内食」が中心となる中、冷蔵庫内の冷凍スペースを「冷凍食品とアイスが奪い合う」という声もあったが、それについてはどうだろう。
「4月まではその一面もありましたが、開店前からスーパーに並ぶ人が減ったように、食品が安定供給されることがわかり、冷食の備蓄も一段落した感があります。4月のアイス売り上げは天候不順で伸びませんでしたが、5月以降は盛り返した。学校に通えない子どもへのおやつだけでなく、大人の需要としても支持されているのを感じます」(二村氏)
以前から同氏は「アイスクリーム市場の拡大は、子どものおやつから大人の癒しになったのが大きい」と語っていた。コロナの影響で仕事上の会食もなくなり、お酒よりもアイスを手にする大人も一定層いるようだ。
業界団体の日本アイスクリーム協会の調査では、「家庭用アイス」を中心にした2018年度のアイス市場は「5186億円」と過去最高を記録した。
かつてのアイス市場は、記録的な猛暑で需要が伸びた1994年度の4296億円がピークで、それを上回る年は20年近くなかった。ところが2013年度に4330億円と記録を更新すると、近年は毎年のように過去最高を更新してきた。
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