「地方出身の東大生」の勉強法が本質的すぎた 「環境の不利」を跳ね返す"独学法"とは

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「たくさん読む」のではなく、「深めて読む」

そして、「その1冊の理解を高めるために」他の本を同時に読みます。たとえば教科書なら、読んでいてわからないことを調べるのに最適な参考書や、あえて教科書の見方とは違う参考書を読んでみるのです。

世界史なら、教科書は時代順で書かれていますが、参考書によっては地域別で書かれているものもあります。英語なら、網羅的な英単語帳もあれば、語源や類義語がたくさん載っていて覚えやすくなっているものもあります。

「たくさんの本を読む」のが目的ではなく、あくまでも目的は「教科書や学校で配布された1冊」の理解度を高めること。こうやって同時並行で違う本を読み、「なるほど、教科書に書かれていることの意味は、こういうことだったんだ」「こういう見方で教科書を読み直すと、見えてくるものが違うな」と、深く読解するために利用するのです。

実は東大入試やセンター試験は、「教科書以上の知識は問わない」「教科書をしっかり読み込んだら解ける問題以外は出題しない」ということを公言しています。

しかし、「この参考書はオススメだ」「合格者の○割はこんな本を読んでいるらしい」という情報が過多な都会だと、どうしても「たくさんの参考書をやらなきゃ!」と考えてしまいがちです。みなさんも、「あれも読まなきゃ!」「これもやらなきゃ!」とあっぷあっぷになってしまった経験、あるのではないでしょうか(ちなみに僕は完全にこのパターンでした)。

それよりもきちんと、「1冊の読解を深める」という目的を持って何度も読み、他の本を読む場合でも、あくまで「メインの本の読解を深める」と決めておくというのは、受験に限らず有効なテクニックなのではないでしょうか。

特徴2:アプリケーションをフル活用する

2つ目はアプリケーションです。地方出身の東大生は、スマホアプリをうまく学習に取り入れて勉強しているのです。

勉強専用アカウント、「勉強垢」

周りに東大をはじめとする有名大学を目指す人が少ない環境では、勉強のモチベーションを維持するのが難しいです。しかし今、ごく簡単に、勉強意欲のある学生同士がつながるツールがあります。

それは、SNSです。たとえばTwitterやInstagramでは今、「勉強垢」と名前がついたアカウントがたくさんあります(「垢」とは俗に「アカウント」のことです)。「自分の勉強を発信し、ともに勉強を頑張る仲間とともに勉強意欲を高めるためのアカウント」です。

「今日何時間勉強したか」とか、「どの科目を勉強したか」とか、「どこの問題で躓いたか」とか、そういう報告をしていくのです。そうした学習の進捗報告をやりやすくし、表やグラフとして把握することもできる「スタディプラス」というアプリも登場しています。

一昔前は「東大を目指す受験生のブログ」がはやっていましたが、今はそれが形を変えて、受験勉強を発信するようになったのです。

「それで本当に成績が上がるの?」と思う人もいるかもしれませんが、「1人で頑張るよりも、大人数で切磋琢磨し合いながら勉強する」というのは大きな効果があります。「ピア効果」といって、高い意識や能力を持った人間が、お互いを刺激・感化させることは、集団全体のレベルアップに加え、個々の成長に相乗効果をもたらすことが明らかになっています。実際、「勉強垢」を使って東大に合格した学生も少なくありません

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