「学歴フィルター」で振るい落とす採用事情 「自分は選ばれた」と上位校生徒の半数が実感

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学歴フィルターは、学生が一部の人気企業に殺到して起こる出来事だが、知名度の低い中堅・中小企業も、あえてターゲット校を選ぶということをしている。そういう企業の目的は学生の足切りではなく、より確度の高い応募につなげるために、対象大学を絞り込む採用を行っている。

「研究室への定期的な訪問」(従業員1001人以上、メーカー)や、「学内セミナー等への参加」(同1001人以上、情報・通信)といった地道な努力をしており、さらに、「キャリアセンターだけでなく、ゼミや部活等との接点を増やす」(同300人以下、金融)ことや、「大学教授、研究室との直接的な接点強化」(同300人以下、マスコミ・コンサル)を行っている企業もある。

いわばその大学の学生をぜひとも採用したいと、企業側が積極的にアプローチしているわけだ。BtoB企業は、学生への知名度が低いものの、業界内でのシェアが高く、社会人に評判がよく知られている企業はたくさんある。こういう企業の話を聞かない手はないだろう。

大学に頻繁に通い、いい人材を探す企業も

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現在の就活は、自己分析・業界研究などの準備期間を経て、就職ナビへのプレエントリー、説明会出席、ES提出、面接と、ベルトコンベヤー式に進んでいく。「ひとりの人間としてみてほしい」という学生もいるが、流れ作業のように進んでいくために、じっくりと見極めることは難しい。

学歴フィルターや面接官の態度に苛立つ学生は多い。それでも、企業側を見れば、採用に満足している人事部は少なく、何らかの課題を感じているのが実態である。

ターゲット大学へのアプローチ方法は企業によって異なる。どの企業もキャリアセンター、研究室、教官との交流を強化しようとしており、手作り感が強い。このような大学基点の採用は、学生・企業双方のメリットになるし、就職してからのミスマッチも少ない。

誰もが知っている有名企業に就職することが、就活のゴールではなく、自分が生き生きと働くことのできる企業に出会うことが大事なはず。就職での選択権を持っているのは学生だ。学歴フィルターなど、周囲の環境に惑わされず、ぜひ自分の道を切り開いてほしい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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