JR中央線快速、こうすれば混雑を解消できる 京葉線を東京から三鷹へ延伸する案も

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中央線快速は1時間に4万4400人を運ぶことができる(写真:スポッティー / PIXTA)

中央線は、現在、最混雑時1時間に30本、最短間隔は1分50秒で運転しているが、これは全国のJR路線(複線)で最大の本数である。

なお、地下鉄や私鉄を含めると、1時間に32本運転している丸ノ内線が最多の運転本数である。しかし、こちらは1両の長さが18メートル級の6両編成で、1編成の輸送力は中央線の半分にすぎない。2番目は銀座線の30本で、こちらは16メートル級の小型車の6両編成で、丸ノ内線より1列車あたりの輸送力は小さい。

中央線快速の輸送力は1時間に4万人超

中央線は、1両20メートルで車体の裾を絞った広幅車のE233系10両編成である。日本では、常磐線の快速電車が同じサイズの車両15両編成で、1編成としては最大の輸送力である。高崎線・宇都宮線・総武快速線・横須賀線・東海道本線・常磐線中距離電車も、同じく15両編成であるが、そのうちの2両はグリーン車で定員は少なく、混雑率の計算には含まれない。

また、1時間あたりの輸送力については、グリーン車2両を含む15両編成で運転している東海道本線が1時間に19本を運転して、輸送力は3万5036人である。中央線快速は1時間に4万4400人を運ぶことができるので大きく上回る。路線の定義次第で差異が生じるが、中央線快速は国内で最大の輸送力である。続くのは、東武伊勢崎線の4万4364人であるが、こちらは複々線全体の輸送力である。中央線も、快速線だけでなく複々線の一方である緩行線の輸送力の3万4040人を加えると、7万8440人と、さらに大きな数字となる。

このように巨大な輸送力を持つ中央線快速電車であるが、それでも、最混雑区間の中野から新宿までの混雑率は、平成26(2014)年191%、平成27年188%に達する。

将来的には、平成32 (2020)年をめど(その後、延期されたが完成時期は決まっていない)に、グリーン車2両を連結して12両編成とする計画が進んでいる。中央線では、特急「スーパーあずさ」が12両編成で運転しているので、停車駅の新宿駅、立川駅、八王子駅は12両編成に対応している。そのほかの駅のホームは、10両ないし11両対応として建設され、220~240メートルの長さがある。

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