逆質問集には、自己PRしながら質問をすると好感触を得られると書かれていることがあるが、あからさまに自己PRを目的とした質問は、「自分のアピールとしか思えない(本当に聴きたいわけじゃない)」(製薬)、「何か印象に残るためにするような中身のない質問(取ってつけたような質問)」(電機)という印象を受け、逆効果となる場合がある。「過剰な自己PR」(食品)や「自分をよく見せようとする質問」(自動車関連)は、人事にはその意図が透けて見えて、かえって心象を悪くする。
「『この会社どうですか?』などのざっくりすぎる質問」(流通)や、「『御社の今後の方針を教えてください』といった、何も予備知識がないと出る質問」(印刷)、「『それを聞いてどうするの?』という質問の意図がわからない質問。入社意欲がないと判断される」(情報)といった声があがる。こういう質問をしたら、何も調べてきていないのを自ら露呈するようなものだ。
見ればわかることを聞くと評価を下げる
「『自分を成長させてくれる研修等はありますか?』は受け身的な質問と感じる」(情報・通信)、さらに「『貴社ではキャリアアップをどのようにお考えでしょうか』は、すべてを会社がしてくれる受動的な質問に聞こえます。企業説明会で聞く質問として教えられているのかもしれませんが、本人がどのような意図を持って聞いているのか、疑問に感じることがあります」(製薬)とのコメントがあった。
キャリアアップやロールモデルを聞くことは、逆質問集でよくお勧めされているので、入社意欲を見せる質問と思われているかもしれないが、すべての人事がそう受け取るとは限らない。企業が見たいのは、「自分はこうなりたい、そのために自分自身はこう成長したい」という就活生の意思表示だ。それとあわせて質問しなければ、単に受け身の姿勢と捉えられてしまう可能性がある。
「会社概要や給与、福利厚生など、書面やウェブサイトで情報提供している事を改めて質問されると、がっかりします」(物流)、「就職サイトに掲載しているレベルの内容の質問だと、そんなにうちの志望度は高くないのだなと判断します。例えば給与とか休日とか」(食品)との声はかなり多い。HPや採用ナビをみればわかることを質問されると、企業研究をしていないし、志望度も高くない、と人事は判断する。ただし、「就活サイトなどを少し探せば載っているような内容についての質問でも、それについて、深く掘り下げる質問であれば問題なし」(商社)で、自分なりの疑問をぶつけるのはもちろんOKだ。
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