データは単年度の採用数のため、複数年度で見るともう少し中途採用が多い場合もあるかもしれないが、依然、新卒採用中心の会社が多いことがわかる。今回のランキング対象486社の平均値は70.0%。CSRに積極的な会社は全体的に新卒占有率が高いようだ。
『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2017年版の巻頭特集では、新卒占有率が高い会社と低い会社に分け、それぞれの財務指標や働きやすさについて分析を行っている(ただし、データは2016年版。新卒・中途合計5人以上が対象)。
新卒採用率が高い会社は業績安定、長期雇用
その結果、新卒採用占有率が高い会社は低い会社に比べて売上高や総資産が大きく、新卒3年後離職率は低く、全体の勤続年数も長い傾向にあることがわかった。若干ながらワーク・ライフ・バランス制度も充実していた。一方、利益などの成長率は低く、女性比率も低かった。
つまり、新卒採用中心の会社は業績が安定した大企業で、長期雇用が継続している職場が多いようだ。また、こうした会社はもともと女性社員が少なく、最近、積極的に女性採用を増やしているものの、まだ全体では低い水準にとどまっていると予想できる。これらは一般的な大企業ではよく聞く話で納得できる結果だ。
優秀な学生に対して、新卒で必要な人数を採用、じっくり育てて長期雇用していこうという会社は、いまだに多い。もちろん、将来、中途採用を拡大していく可能性もゼロではないが、新卒で一定数確保して離職率も低いとなると門戸は広くはならない、という点は覚えておいたほうがいい。
もし、このランキングに志望する会社があるなら、今から『就職四季報』などでじっくりと企業研究を進めて、3月からは全力で就活に取り組むべきだ。
よしあしは別にして、大学卒業後すぐにしか入れない会社は、間違いなく存在する。こうした事実は受け入れて、大学生活の最後に何を優先的に行うべきか、各自しっかり考えておいたほうがよいだろう。
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