「残業時間が少ない会社に入りたい」と思う学生は多いらしい。確かに最近、残業が多い会社は「ブラック企業」と批判され、若い社員に気を使って「残業を命じにくい」という中年上司も増えていると聞く。
以前は長時間労働を推奨していた経営者の中にも、「残業をなくしていく」という方針に変えるケースが増えている。学生だけでなく社会全体で長時間労働の認識が大きく変わりつつあるようだ。国も一億総活躍社会の実現のため、働き方改革実現推進室を設置し、長時間労働の是正に乗り出している。
では、CSR(企業の社会的責任)に積極的な会社の残業時間は、どのようになっているのだろうか。
そこで今回は、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2017年版の月平均残業時間のランキングを作成(対象は742社)。残業時間が少ない会社を紹介する。残業手当を開示している会社は金額も掲載した。
1位は日本フエルトとハーバー研究所
ランキング1位は月平均の残業が1.1時間(1時間6分)で日本フエルトとハーバー研究所の2社が並んだ。日本フエルトは紙・パルプ用フェルト市場で高いシェアを誇り、台湾子会社経由で中国などアジアも開拓する。
従業員数は467人で男性平均勤続年数は20.8年(371人)、女性21.3年(96人)と女性の方が長い。一般的に女性の勤続年数が男性を上回る会社は働きやすいと言われる。同社もその可能性が高そうだ。
同じく1位のハーバー研究所は女性比率が高い会社。全従業員472人のうち、女性は434人(女性比率91.9%)。女性管理職比率50%、女性部長比率40%、女性役員比率20%と、女性の比率はいずれも高い。仕事と家庭を両立する女性も多く、残業が少ない職場となっているのだろう。
3位は北國銀行で残業時間は1.3時間。銀行だけでなく金融機関でもトップだった。
以下、4位日本ケミファ1.5時間、5位クラスターテクノロジー1.6時間、6位ジーンズメイト1.7時間、7位山喜、ダイニチ工業の2時間、9位山下医科器械(2.1時間)、10位東亞合成(2.3時間)が続く。
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