「大阪環状線の新車」ドア数減らして大丈夫? ホームドア導入に弾みでも混雑対応に不安
先日、JR品川駅のホームで男性が突き落とされるという事件が発生、転落した男性は足を脱臼するなどの重傷を負った。被害者の男性と加害者の女性との間に面識はなく、無差別に狙った通り魔的犯行だったようで、ひょっとすると自分も明日被害に遭うかもしれず、何とも怖い話である。
ところで、ホームからの転落防止に最も有効なのは、ホームドアの設置である。先日、酔客の転落防止対策の記事でも指摘しているが、ホームドアを設置すれば意図的に乗り越えない限り転落の可能性はゼロになるわけで、各社とも設置に向けた動きが広がっている。
だが、ホームドア設置の進捗を見てみると、あまり進んでいないというのが実情だ。首都圏では、JR山手線や東京メトロで設置が進んでいるものの、大手民鉄では東急電鉄が19駅に導入済みなのを除くと、他社はほとんどが未設置。関西にいたっては、大手民鉄5社での導入は、相互乗り入れする地下鉄との共同使用駅を除いてゼロである。
ホームドア設置が進まない関西
ホームドアの設置には課題が山積みだ。例えば従来のホームドアは1両分の重量が1.5トン程度と重く、ホームの補強工事が必要な場合が多い。また、ホームドアを設置することでホームの有効幅が狭くなり、混雑がひどくなることへの対策も必要になる。
そして、鉄道各社が挙げるもっとも大きな課題のひとつが「車両のドアの数」だ。例えば、首都圏のJR路線はほとんどの列車が4ドア車で統一されているのに対し、関西圏の多くのJR路線では、普通列車は4ドア、快速・新快速は3ドアと扉の数が異なり、当然ながらドアの位置も異なる。一方、全国で導入されているホームドアのほとんどは「可動式ホーム柵」と呼ばれる、扉が左右にスライドして開くもの。このタイプは、扉の幅と同じだけの戸袋スペースが必要なため、ドアの位置が異なる車両への対応が難しい。
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