昨年、経済産業省がレポートした「2025年の崖」問題。DXを実現しないと2025年以降、年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘していますが、現在この崖を乗り越えるべく数多くの組織がDXに取り組んでいます。一方で、ITの適用範囲が広がることによるセキュリティ上の課題や、データの連携機能に対するセキュリティの担保といった、DXを支えるテクノロジーであるシステムとデータのセキュリティについては懸念事項となっています。
本シンポジウムでは、最先端のインフラテクノロジーに深い知見を持つ研究者と、金融業界で利用されるデータ連携システムに造詣が深い有識者を招聘し、いま幕を開けようとしているDX時代に求められている、インフラからデータまでそれぞれのレイヤの課題と実態を中心に、デジタルテクノロジーがどのようにDXを支えていくかをテーマにお送りいたします。
日 時 | 10月23日(水)14:00~17:15(13:30開場) ※シンポジウム終了後、カクテルパーティーがございます(17:30~18:30) |
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会 場 | 慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール 東京都港区三田2-15-45(地図) |
定 員 | 200名 ※お申込み多数の場合は抽選となります。 |
参加費 | 無料(事前登録制) |
対 象 |
経営者/経営幹部層 民間企業、教育機関、研究機関、官公庁、自治体などの営業、マーケティング、経営企画、情報システム、新規事業開発部門の方々など |
慶應義塾大学
理工学部長 教授
岡田 英史 氏
慶應義塾大学
理工学部 情報工学科 教授
寺岡 文男 氏
社会のDX化はSociety 5.0が展望するサイバー空間とフィジカル空間が高度に融合した社会をもたらします.社会の中のあらゆるモノがインターネットに接続するとき,それらに対するサイバー攻撃を全て防ぐことは不可能なため,社会の機能を維持するためには従来型のサイバーセキュリティの枠を超え社会全体としてのレジリエンスを考える必要があります.今回は,インターネットと主に制御系システムが接続した系(Cyber Physical System)で生じた代表的なセキュリティ・インシデントを幾つか例示します.それらへの考察を元に,DX化が進んだ社会が備えるべくサイバー攻撃に対するレジリエンスについて論じます.
デジタルフォーメーション(DX)によるこれからの情報化社会では,企業や個人に関する多様なプライベート・データを安全に共有・処理できる新たなコンピューティング基盤が求められます.扱うデータだけではなくコンピュテーションそのもののプライバシを保証するプライベート・コンピューティングについて紹介します.
15:35〜15:50 ▶ 休憩
株式会社IDホールディングス
代表取締役社長
舩越 真樹 氏
DXに求められる安全なデータ転送を支える重要な技術であるトランスポートレイヤセキュリティ(TLS)。インターネットサービスの利用者は意識することなく日常的にその恩恵を受けています。本セッションではウェブサービスで利用されるTLSの概要と主な機能を事例やニュースを交え、わかりやすくご紹介いたします。
スマホが登場してから約10年が経ち、スマホ保有率は80%を超え、スマホ利用時間はテレビ視聴時間を超える時代となりました。そして、この1年でスマホを使った決済サービスが次々に登場すると共に不正利用の報道も数を増しています。少ない操作で完了するよう工夫されているため利用者には見えない本人認証・決済の流れについて、生体認証(FIDO)、OpenAPI、トランザクション認証を例に解説いたします。
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
代表取締役社長
山川 利雄 氏
東洋経済新報社 事務局
corporate@toyokeizai.co.jp
03-3246-5599(土日・祝日を除く 10:00~18:00)
慶應義塾大学
理工学部 情報工学科 教授
寺岡 文男 氏
1982年慶應義塾大学工学部電気工学科卒業.1984年慶應義塾大学大学院工学研究科電気工学専攻修士課程修了、同年キヤノン株式会社入社.株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所勤務を経て、2001年4月から現職.博士(工学).1991年日本ソフトウェア科学会高橋奨励賞受賞、1993年元岡記念賞受賞、2001年情報処理学会平成12年度論文賞受賞.コンピュータネットワーク,IoTシステム,分散システム等の研究に従事.2000年5月から2002年5月まで情報処理学会理事、2005年4月から2009年3月まで日本ソフトウェア科学会理事、1991年から2010年までWIDEプロジェクトボードメンバー.ACM, IEEE, 情報処理学会,電子情報通信学会,各会員.
慶應義塾大学
理工学部 情報工学科 教授
河野 健二 氏
1993年東京大学理学部情報科学科卒業.1997年東京大学院理学系研究科情報科学専攻博士課程中退,同専攻助手に就任.博士(理学).電気通信大学情報工学科講師等を経て,現在,慶應義塾大学理工学部情報工学科教授.2000年度情報処理学会山下記念研究賞,1999,2008,2009, 2012年度情報処理学会論文賞,2014年日本ソフトウェア科学会ソフトウェア論文賞,2015年 IBM Faculty Award 受賞.2016年 日本ソフトウェア科学会基礎研究賞受賞.オペレーティングシステム,システムソフトウェア,ディペンダブルシステム等に興味を持つ.IEEE,ACM,USENIX 各会員.
株式会社インフォメーション・ディベロプメント
エバンジェリスト・フェロー
関原 弘樹 氏
2000年より10年以上通信事業者にてネットワークエンジニアリングとフィジカルセキュリティの分野に従事。2014年より株式会社インフォメーション・ディベロプメントに入社。セキュリティコンサルティングに従事。2015年同社エバンジェリストに就任。2018年同社フェローに就任。現在同社セキュリティビジネスの推進、講演登壇やコラムの執筆によるプレゼンスの向上を中心に活躍。CRISC, CISSP, CCSP - (ISC)2, CEH, PMP, CCIE #14607 Emeritus, AWS Certified Solutions Architect Professional, ITストラテジスト(経済産業省), システム監査技術者(経済産業省), 第一級陸上無線技術士(総務省)
みずほ情報総研株式会社
サイバーセキュリティ統括室 室長
赤荻 真由美 氏
1994年早稲田大学法学部卒業、同年現みずほ情報総研入社。みずほ銀行の法人向けEBシステム、個人向けインターネットバンキングシステムの開発を担当し、2015年にみずほフィナンシャルグループのデータマネジメント部を兼務、2018年から現職。