日本経済の先行きを国内外の動向から見通すと、国内では、本年10月に予定をされている消費税率の10%への引き上げによる反動をはじめ、「老後2000万円不足問題」など消費抑制といった景気を下押し圧力への懸念が高まっています。
国外では、米中貿易摩擦による輸出環境の悪化、EU諸国での移民増加や格差拡大への不満の高まりと政治の不安定化など、企業業績への影響が危惧されています。
内閣府が発表をする景気動向指数は5月時点で「下げ止まり」に上方修正されたこともあり、今後の動向に注目が集まっています。
また、不動産市場に目を向けると、訪日外国人の増加に伴う店舗や宿泊施設需要の増加、好調なオフィス市況、EC販売の拡大による大規模物流施設の需要拡大など引き続き堅調さを維持しています。
国内景気、不動産市場は今後上昇していくのか、それとも下降していくのか。
最新の動向を注視・分析し、経営戦略を立てることが今後の成長を占う重要な要素となってくるでしょう。
そこで、本フォーラムでは、「不動産市場の最新動向からひも解く『CRE戦略』の最適解」をテーマに、不動産マーケットのトレンドの把握、市場の変化に応じたCRE戦略の動向、企業業績への影響、不動産の利活用について、有識者の講演を通じて考察をしてまいります。
現代は少子高齢化、人口減少、グローバル化、AI, IoTの発達等、社会・経済環境が大きく変化してきており、企業活動だけではなくCRE戦略のあり方も変化を迫られています。本セミナーでは、有効活用、ファシリティマネジメントなどの実務面、およびそれを支えるための組織、人材等の観点からCRE戦略の基本を整理し、また近年世界的に大きな潮流であり、日本企業の関心も急速に高まっているSDGsやESG投資とCRE戦略の関係について検討します。
大和不動産鑑定株式会社 エグゼクティブフェロー
明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 兼任講師
村木 信爾 氏
(公社)日本不動産鑑定士協会連合会常務理事、NPO法人日本不動産カウンセラー協会常務理事。元不動産鑑定士試験論文式試験委員、国土交通省CRE研究会WG委員等歴任。(著書)『ホテル・商業施設・物流施設の鑑定評価』(住宅新報社)(編著)『ヘルスケア施設の事業・財務・不動産評価』(同文館出版)(編著)ほか多数。
不可逆的なグローバル化の波や、高度なIT化など、企業環境は益々複雑になっています。経営の舵取りの難しさが増す昨今、あらゆる企業にとって、不動産の活用もまた経営戦略の重要な一要素になります。個人向け住宅のみならず、長年に渡り企業不動産市場に携わってきた東急リバブルが、企業不動産のプロとしての視点から、市場動向と企業不動産の最新潮流を解説し、CRE戦略のあるべき姿を読み解きます。
東急リバブル株式会社
常務執行役員
ソリューション事業本部 副本部長
柿沼 徹也 氏
1988年4月、東急リバブル株式会社入社。同社流通部門にて個人向け売買仲介営業等に従事し、2010年4月、同部門の営業推進部長に就任。経営管理本部マーケティング推進部長等を経て、17年4月、法人向け不動産流通業を展開するソリューション事業本部へ異動。19年4月より現職。
15:30-15:50 ▶ 休憩、ネットワーキング
一般財団法人日本総合研究所会長
多摩大学 学長
寺島 実郎 氏
1947年北海道生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、三井物産入社。米国三井物産ワシントン事務所所長、三井物産常務執行役員、三井物産戦略研究所会長等を経て、現在は日本総合研究所会長、多摩大学学長。国土交通省・社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会長、同省・国土審議会計画部会委員、経済産業省・資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本政策分科会委員、農林水産省・「食と農の景勝地」検討委員会委員長等兼任。著書に『ひとはなぜ戦争をするのか―脳力のレッスンⅤ』『シルバー・デモクラシー』(以上岩波書店)、『ユニオンジャックの矢』(NHK出版)『二十世紀と格闘した先人たち―一九〇〇年 アジア・アメリカの興隆』(新潮社)、『中東・エネルギー・地政学』『全47都道府県幸福度ランキング2018年版』(以上東洋経済新報社)他多数。メディア出演にBS11「寺島実郎の未来先見塾」(毎週金曜日20:59~21:49)、BS-TBS「月刊寺島文庫」(原則毎月最終土曜日23:00~24:00)、TBS系列「サンデーモーニング」(日曜日8:00~/月2回程度)
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