ループリサイクルを構築
軽量新材料の開発で
環境貢献の取り組みを深化
さらに進んで、川上産業ではエコハーモニーの技術を応用した資源循環の仕組み「ループリサイクル」もスタートさせた。使用済みのプチプチなどの製品を回収し、再生原料メーカーで再生ペレット化。それを原料にエコハーモニーなどの製品を作り、元の顧客企業が買い上げて再度使用する、高度なエコが実現した。回収にコストがかかるため、まだ大口顧客に限られるが、日本通運、積水ハウス、東芝府中事業所などが参加、環境意識の高い企業からも大きな関心を集めている。ループリサイクルは、製造から廃棄までの工程で、CO2排出量57%カットを実現。顧客企業は、産業廃棄物処理のコスト削減メリットを享受しながら、環境貢献することが可能になる。
エコハーモニーの技術を応用した資源循環の仕組み
「ループリサイクル」


プチプチ等は再生原料メーカーに回収され、色とりどりの再生ペレットになる
こうしたリサイクルへの取り組みの一方で、川上産業は、プチプチの軽さを生かし、省エネに貢献する新材料も展開している。ポリエチレンより硬いポリプロピレン製の軽量剛性板「プラパール」は、プチプチの気泡突起を挟んだサンドイッチ構造とすることで、単純な板構造よりも強度を高めつつ、軽量化できる。ベニヤ板の代替素材や段ボール代わりに箱の材料として普及し始めている。
それだけでなくプラパールは、ループリサイクルの再生原料に加えられ、循環の輪は一層広まっている。小森氏は「プラパールもエコハーモニーも空気が主材料。物を軽くすることは、環境負荷を軽くすること。世の中を軽くするお手伝いをしていきたい」と、プチプチのさらなる可能性に目を向けている。
*プチプチ、エコハーモニー、ループリサイクル、プラパールは川上産業の登録商標です。
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