世界中のさまざまなモノとモノがインターネット上でつながる。これを製造プロセスに応用するのがいわゆる「インダストリー4.0」です。材料調達から生産、サービス提供まで企業間のサプライチェーンの全てをネットで接続。工場内では、生産設備同士が繋がるため、情報の交換量や分析力が飛躍的に向上し、そこから新しいサービスが生まれます。こうした4.0時代においては、製品自体が情報端末になり、消費者ニーズは瞬時に設計・製造現場に集約されるようになります。生産者側はサプライチェーンの中でも最も効率的なラインや工程を自動選択し、消費者にモノやサービスを提供できるのです。しかしながら、多くの日本の製造現場においては「メカ設計が回路設計」より、「回路設計がソフトウェア設計」よりも優先される傾向にあります。また成果物を図面主体で管理してしまっているために、設計開発プロセスが滞っていることも共通の課題となっています。さらに、製品がIoT対応になればなるほどメカ設計、電気設計、組み込みソフト開発そしてIT部門との業務連携が、ますます複雑化するというジレンマを抱えています。このような状況下では、設計製造プロセスや業務オペレーションにおいて、これまで製造企業が経験したことのない、やっかいな課題を抱え込むことにもなりかねません。このような問題を解決し、製品開発プロセスを効率化する必要性が、今まさに求められているのです。そこで本フォーラムでは、「ものづくりの現場に押し寄せるデジタル化と高速化の波」と題し、部品表を主体とした製品開発の仕組みなどを、実際の導入事例を交えながらご紹介し、高度で高品質な製品を俊敏な開発力で実現し、生産性の向上、業務の効率化に必要なライフサイクルマネジメントについて考察します。メイド・イン・ジャパンの再興に向けた具体的な戦略について、専門家による講演、先進企業の取り組みとともに考察します。
日時 |
6月28日(水)14:00~16:30 |
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会場 |
東京ミッドタウンカンファレンス Room7 (都営大江戸線「六本木駅」8番出口より直結)(地図) |
定員 |
100名 |
参加費 |
無料(事前登録制) |
対象 |
製品開発部門、製造部門、調達・購買・品質保証部門のマネージャーなど |
IoTが製造業に与えるインパクトは大きいと言われている。ところが、大量のデータ取得の後に行われるべき、これに裏打ちされた問題解決については、漠然と語られることも多い。本講演では、情報処理技術のものづくりへの適用の歴史と、人工知能技術の歴史を振り返りながら、知的活動としてのものづくりについて考える。
早稲田大学大学院 情報生産システム研究科(IPS) 研究科長・教授
吉江 修 氏
2006年より早稲田大学教授。早稲田大学理工学術院大学院情報生産システム研究科研究科長兼情報生産システム研究センター所長。1999年ドイツ国立情報科学研究所(現フラウンホーファ研究機構)客員研究員、2007年米国パロアルトFXPAL訪問研究員。専門は、コミュニティ・コンピューティング(コミュニティの中を流れる情報の解析および合成を行う研究領域)。電気学会論文賞、日本設備管理学会論文賞等を受賞。電気学会フェロー。
PTCジャパン株式会社 ソリューション戦略企画室 ディレクター・フェロー
後藤 智 氏
製品ライフサイクル管理(PLM)に関するビジョン及び構想デザイン、バリューロードマップの策定。また、CAD/CAM/CAEを活用した技術情報システムの提案、製造業の製品開発ならびにサービス業務のプロセス分析コンサルティングやグローバル型ものづくりIT改革に関するソリューション戦略企画推進。更にIoT(モノのインターネット)に関する事業開発推進リーダーとして、次世代型スマートコネクテッドなPLM戦略構想策定のファシリテーションに従事。2017年、公益社団法人日本経営工学会の「経営システム」に投稿した学術論文「IoT時代のPLMシステムに求める技術要件とそのビジネス価値に関する考察と提言」が「経営システム賞」を受賞。
DMG森精機株式会社 執行役員 開発本部 奈良ターニングセンタ・MC担当 兼 小型機開発部 マニュアル部 部長
新海 洋平 氏
2000年入社以来、ターニングセンタ開発に従事。2013年より開発業務と並行して、ドイツ子会社とのPDMシステム統合のプロジェクトリーダーも担当。同志社大学 工学部卒。
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