2019/08/05AD

2002年に老舗・中川政七商店に入社後、16年で売り上げを13倍に、店舗数を3店舗から50店舗超に押し上げた中川政七氏。18年10月にはサッカークラブ、奈良クラブの社長に就任。そんな中川氏が仕事で何より重視しているのが、ワクワクする「ビジョン」だという。

10年以内にJ1昇格を果たす 10年以内にJ1昇格を果たす

 「サッカーを変える 人を変える 奈良を変える」。

 これが、僕が社長を務める奈良クラブの掲げるビジョンです。サッカーを通じて人の成長に寄与し、人を変えることで奈良によいコンテンツを多く生み出す。その結果として、奈良をより魅力的なまちにしたい。そんな思いが込められています。

 目標は、5年以内に今より2つ上のカテゴリーであるJ2に昇格すること。そして10年以内にJ1昇格を果たし、そこでみんなをあっと言わせるようなことをする。その間に日本のサッカークラブでは例のない「上場」を果たし、自前のサッカー専用スタジアムも造りたいです。

 今はまだ、サッカーの競技成績はあまり上がっていません。でもそれ以外のクラブ経営に関しては、順調といえます。何より冒頭のビジョンが初めにビシッと定まったのがすごくよかったなと。ビジョンが定まると、おのずとやることも決まってきます。それは、中川政七商店の社長時代も同じでした。

 僕が中川政七商店で掲げたビジョンが、「日本の工芸を元気にする!」です。ただ、このビジョンが固まったのは、僕が2002年に中川政七商店に入社してから約5年経った07年のこと。それまでは、これというビジョンがなく、利益追求以外に何を目指せばいいの?という感じでしたが、ビジョンがしっかり固まったことで、経営がかなりスムーズになった。だから僕はこう思うんです。経営は第1にビジョンが大事だと。

 そのビジョンをきちんと効かせるためには、必要なものが3つあると考えています。1つ目が「パッション」。会議でビジョンは生まれません。やっぱり誰か個人のパッションがないと。2つ目が「ロジック」。いくらいいビジョンであっても、実際にやることがビジョン達成につながるものでなければ、張りぼてのビジョンになってしまいます。

 

奈良クラブ 代表取締役社長中川政七商店 代表取締役会長 十三代中川政七

京都大学卒業後、2000年富士通入社。02年中川政七商店に入社し、08年代表取締役社長。工芸品をベースにした雑貨の自社ブランドを確立し、全国に50を超える直営店を展開。また、09年より業界特化型の経営コンサルティング事業を開始し、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンの下、日本各地の企業ブランドの経営再建に尽力する。18年より会長職。同年、奈良クラブ代表取締役社長に就任

ビジョン作りが自分の勝負どころ ビジョン作りが自分の勝負どころ

 そして3つ目が「ストラテジー」です。要は儲かるかどうか。どんなにいいロジックでも、商売なので勝てるビジネスモデルでなければ意味がないし、勝てなければビジョンに近づくことは一向にできません。

 では、ビジョンはどのように生み出すのか。その核となるのが「わがまま」や「妄想」のようなものです。「こんなふうになったら最高!」というわがままや妄想をベースにしてビジョン化する。

 多くの人は、ここで現実をいろいろ考慮し、結果的に75点くらいの理想を描いてしまいます。でも僕は、余計な制約は入れず120%の理想を描く。そうするとやっぱり、ワクワクするものになるんですよね。だからこそ人も動く。実際にそれをどう現実化するかは、後でなんとかなると考えています。

 こうしたビジョンづくりこそが自分の勝負どころだし、だからこそ頭の中でずっとふわふわ考えていたりします。そして大抵、歩いている時や風呂に入っている時とかに、ふとアイデアが降りてくる。降りてきたら、すぐにメモします。

 アイデアといえば、最近は寝ている時に思いつくアイデアの精度が不思議ととても高くなってきています。昔は寝ている時に出たアイデアをメモっても、朝に見返すと「なんじゃこりゃ?」という感じだったのですが、最近は朝に見返してもわれながらよくできているなと思うことが多くなりました。

 

2018年10月よりサッカークラブ「奈良クラブ」代表取締役社長も務める中川氏

 

2018年10月よりサッカークラブ「奈良クラブ」代表取締役社長も務める中川氏

アイデアを削ぐマイナス要因が消えた アイデアを削ぐマイナス要因が消えた

 僕はきちんと寝ないとダメなタイプで、実は人生で一度も徹夜をしたことがありません。5時間睡眠が3日も続くと、かなりしんどくなります。睡眠が足りずに体調が悪かったり機嫌が悪かったりすると、やっぱりベストな判断ができなくなります。それって経営者として、かなりまずいですよね。1つの判断ミスが、場合によっては何年という単位で会社の経営に響いてしまうことがありますから。

 とりわけ睡眠不足の影響が大きいのが、ビジョンを生み出すなどのクリエーティブな作業。まだロジカルな作業であれば、体調が悪くても8掛けくらいでパフォーマンスできますが、クリエーティブな作業に関しては、能力がほぼゼロになってしまう。だからつねに睡眠や体調管理には気を使っています。普段の睡眠時間は7時間ほどです。

 それでもやっぱりたくさん寝られない時もあるし、近年は朝起きた時にひどい肩こりや腰痛に見舞われたりもします。そこで重宝しているのが、いま愛用している[エアーSX]マットレスです。点で体を支えることで体圧が分散されるというロジックに納得感があり、いっきに寝られる時間も増えました。テンションを下げてアイデアをそぐさまざまなマイナス要因が消え、すごくありがたいですね。

 僕は、みんなが「絶対にそんなこと無理でしょ」と思うことをひっくり返すのが大好きなんです。奈良を先進的なまちづくりで注目を集めるポートランド級にすること。奈良クラブを通じて、それを実現して、皆さんをあっと言わせたいですね。

AiR SX

「120%の理想」をビジョンに描くため、睡眠には気を使うという中川さん。そんな中川さんが愛用している[エアーSX]マットレスは「体圧分散」と「寝姿勢保持」の機能を高めることで、睡眠の質を追求したマットレスだ。質のいい睡眠でパフォーマンスをたたき出したいビジネスパーソンへ

[エアーSX]マットレス
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