オーデマ ピゲ本社工房でのCODE11.59の時計作りの様子を最新のVRで体験! 行動が制限される現状、旅の疑似体験を通してCODE 11.59の開発秘話や魅力をお楽しみいただけます。予約不要です。
- 上映時間
- 約5分半
- 会場
- 東京都中央区銀座6-5-13 B1F
- TEL
- 03-6830-0788 (オーデマ ピゲ ブティック 銀座)
Audemars Piguet
ジャケット¥150,700/サルトリオ(ストラスブルゴ 0120-383-563) ニット¥25,300/グランサッソ、パンツ¥38,500/PT TORINO(ともにビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623) トートバッグ¥59,400/ボルドリーニ セレリア × シップス、スーツケース¥189,200/グローブ トロッター × シップス(ともにすべてシップス 銀座店 03-3564-5547)
CREDIT
2019年、オーデマ ピゲは大人気の「ロイヤル オーク」に比肩する、新たな柱となるコレクション「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を発表した。これは人気のドレスウォッチ「ジュール オーデマ」の生産を中止してまで製作される力作でもある。3年目となる2021年は、ゴールドと新素材を組み合わせた革新的なモデルが登場。さらに充実してきた「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に注目したい。
Text:Ryoji Fukutome
Photography:Masafumi Tanida (CaNN) Styling:Akihiro Shikata Hair&Make:MASAYUKI(The VOICE)
制作:東洋経済ブランドスタジオ
伝統と革新という言葉は相反するようだが、実は密接なつながりがある。伝統とは革新の積み重ねによって成立するからだ。つまり、新しいものを生み出さず、現状に満足しているだけでは未来は築けないのである。
オーデマ ピゲは1875年の創業だから、今年で146年を数える。同社も間違いなく3世紀にまたがる年月を積み重ねてきた。それはもちろん先に述べたように、革新の歴史でもある。とはいえ、確固たる基本、哲学があってこその革新である。オーデマ ピゲは創業当初からの手法、つまり手作業による時計製作を現在でも貫いている。十分に研鑽を積んだ職人によって組み上げられるからこそ、時計は高品質を保ち続けることができるのである。
そして、伝統的な手法を継承しながらも、つねに革新的な技術開発に取り組むことが、伝統の裾野を広げることにつながる。時代に迎合するのではなく、つねに大胆な発想で時代の先を行く。オーデマ ピゲは、そうやって時計界の先頭を走ってきたのだ。
その業績は際立っている。例えば、1888年パリ万博では、スプリットセコンドクロノグラフや永久カレンダーなどを搭載したグランド コンプリカシオンを発表。1892年には世界最小のミニッツリピーター搭載腕時計を開発。その後、20世紀に入り懐中時計から腕時計の時代になっても、世界最薄の手巻き腕時計、永久カレンダー搭載自動巻き腕時計、トゥールビヨン搭載の自動巻き腕時計と世界初といわれるモデルを次々と製作していった。
それはデザインにおいても同様である。近年では1972年に発表された「ロイヤル オーク」が代表的だろう。潜水服のヘルメットをイメージし、オクタゴン(八角形)のベゼルを持った独特の意匠。そのベゼルには裏ぶたまで貫通する8本のビスの頭をあえて残している。素材も高級時計といえばゴールドが常識であった時代に、ステンレススチールを使用し、しかもブレスレットを装着するという試みを行っている。
これが単に奇をてらったものであれば70年代前半で消滅していたであろう。だが、確固たる哲学に基づいた“革新”は、その後、他社から同様のスタイルを持ったモデルを生むことになり、現在では“ラグジュアリー・スポーツ・ウォッチ”という分野を確立するに至っている。
21世紀に入っても、オーデマ ピゲは「ロイヤル オーク」のベースムーブメント「Cal.3120」の開発や美しきオーバルウォッチ「ミレネリー」のシースルー化、最も複雑で洗練され、現代でも非常に希有な複雑機構“グランドソヌリ”の開発など、相変わらずさまざまな革新を行っている。
そして2019年、「ジュール オーデマ」に代わる先進的なドレスウォッチを誕生させた。「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」である。一見すると端正で、正統派のコレクションなのだが、そこにはその名のとおり、いくつかのコードが隠されている。
例えば、ベーシックなダイヤルとケースバックに挟まれたオクタゴンのミドルケース、肉抜きされたラグホールとそこに打たれたビス、特徴的なアラビア数字、湾曲したベゼル、光の加減によって表情を変えるカーブした風貌……。
この新しい試みは、ブランドのアーカイブを現代に昇華させたものでもある。
そして、コレクション発表に当たって3つの新しいムーブメントが用意されたことも、最初からベーシックな3針モデルに加え、クロノグラフ、トゥールビヨン、ミニッツリピーターという複雑機構まで用意されていたのも異例のこと。いかにオーデマ ピゲが「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に力を入れているかということの表れだろう。
ちなみに新しい「ロイヤル オーク クロノグラフ」に搭載される「Cal.4401」は、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」のために開発されたものである。
2020年にはラッカー仕上げのバーガンディやパープルといった新しいカラーが加わり、さらに華やかに充実する中、今年はミドルケースに新たな試みを施した新作「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」が発表された。
新モデルは、一見デザイン的に大きな変更がないように思われる。ただ、新しい試みとしてミドルケースにブラックセラミック素材が採用されているのだ。ミドルケースは「CODE 11.59」の大きな特徴でもあるので、新しさという点でのインパクトは強い。
セラミック素材自体は加工技術の進化によって、現在の時計界ではポピュラーな素材の1つとなっている。オーデマ ピゲでも「ロイヤル オーク オフショア」でなじみのある素材であり、長く改良を重ね品質を高めてきた。
それもあって「CODE 11.59」のミドルケースは美しい。そもそもセラミックは切削や加工・仕上げに非常に高い技術を必要とする素材である。とくに焼結時に大きく収縮する特性を持っているため、素材の異なるゴールドの部品を隙間なく組み合わせるのはかなり困難なのである。それを見事に成立させたことで、ポリッシュ、サテン仕上げを丁寧に施したブラックセラミックとゴールドのコンビネーションが絶妙なコントラストを描き、このモデルにさらなる魅力をもたらした。
そして、ブラックセラミックを使用したことで、カジュアルな印象にもなっている。さらにカーフにラバーコーティングされたストラップが装着されていることで、その傾向はより強まってもいる。
また、搭載のフライバッククロノグラフ付きの自動巻き「Cal.4401」は、22Kピンクゴールド製ローターにオープンワークが施されており、シースルーバックからはコート・ド・ジュネーブの模様や、クロノグラフの構造を鑑賞できる楽しさも持ち合わせている。
ここ数年、ビジネスシーンでのカジュアル化が話題になってきたが、昨年から続くコロナ禍でのリモートワークがそれに拍車をかけ、スーツの着用がさらに減る傾向になった。くしくも時を同じくして登場した「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、そんなニーズにピッタリ合ったモデルとなっている。
新作「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」は、スモーキーなヘアライン模様のグレーカラーダイヤルと、素材、造形も含めて、とてもシックな要素が満載なのだが、ミドルケースとストラップでガラリと印象を変えてしまうという、新しい時代の新感覚ウォッチともいえるだろう。
さらに今年は「ロイヤル オーク オフショア」に、ワンタッチでストラップを着脱できる「インターチェンジャブルストラップ」が採用されており、それがかなり使い勝手がいいのである。オーデマ ピゲはこの分野でも高い技術を発揮しており、これがいずれ「CODE 11.59」にも採用されることになれば、その多様性はますます広がることになる。
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