箱根駅伝で6度の総合優勝を果たしている青山学院大学。2021年の箱根駅伝では総合連覇こそ逃したものの、意地の復路優勝を果たした。2020年夏に原晋監督にインタビューを実施。独自のメソッドを駆使し、勝てるチームに育て上げた秘訣を聞いた。
2004年に青山学院大学へやってきた後、原監督はサラリーマン時代に培った企画立案とプレゼンテーション能力でチームの改革を促し、2009年には33年もの間遠のいていた箱根駅伝への出場権を獲得。2015年には悲願の総合初優勝を成し遂げ、現在では駅伝王者として君臨している。
その原監督が、「"原メソッド"において最も重要視しているのはデータだ」と解き明かしてくれた。
(2021.01.06に加筆修正)
Photo / Hideki Okura Text / Hiroyuki Yokoyama
Direction / Toyokeizai Brandstudio
陸上競技はデータの世界。結果もそうですし、トレーニングも同様です。とくに長距離は走行フォーム等もありますが、心拍数というデータに留意しながら時間×負荷で有酸素領域を拡大させていくしかありません。無酸素運動に至らない"最高安定状態"を維持しながら、タイムを伸ばしていく。要は、エンジンを大きくするんです。また、レースに出場するメンバーの選出もデータに基づいています。例えば、箱根駅伝に出場した選手の9割以上は、夏合宿の練習を7割以上消化していたという結果が出ています。そのため、合宿の練習消化率や一定期間に走行した累計距離、重要種目の上位10人の平均タイムとの比較、5000m・1万m・ハーフマラソンの自己記録といった指標をもとに選んでおり、選考メカニズムに"監督のえこひいき"はありません。選手としても把握しやすく、出場へ向けてのモチベーションにつながると考えています
区間新記録続出の超高速レースを制したのは、名将・原晋監督が独自のメソッドを駆使し、勝てるチームに育て上げたからにほかならない。
2004年に青山学院大学へやってきた後、原監督はサラリーマン時代に培った企画立案とプレゼンテーション能力でチームの改革を促し、2009年には33年もの間遠のいていた箱根駅伝への出場権を獲得。2015年には悲願の総合初優勝を成し遂げ、現在では駅伝王者として君臨している。
その原監督が、「"原メソッド"において最も重要視しているのはデータだ」と解き明かしてくれた。
それまで感覚的に行っていた指導にエビデンスとなるデータが付随し、より強固なツールになりました。もちろん人が人を指導するわけですから、現場の空気感や気持ち、根性も大切です。しかし、それだけでは旧時代の指導者になってしまう。データを重ね合わせていくことが大事なんです
原監督が求める「データ」の研究を強力にサポートできるのが、ガーミンの最新GPSウォッチ「Fenix 6 Pro Dual Power」だ。米国国防総省の依頼の下で開発をスタートさせた経緯を持つ高精度なGPS測位技術やリアルタイムで鼓動を読み取る心拍センサーが、トレーニングから生活習慣まで高精度にサポートする。自動で記録・分析されたログを見れば、ストレスやカラダのエネルギーレベル、睡眠の質まで一目で確認することができる。明確に数字で現時点での自分の状態がわかるので、目標達成までのギャップが明らかになり、次にしなければいけないことが見えてくるのだ。さらに、ソーラー充電により、バッテリー切れのストレスからも解放される。
これがあれば、一般の市民ランナーの方でも科学的なトレーニングが可能になりますね。がむしゃらに走るのは無駄が多いので、こうした最新テクノロジーの力をフル活用するのは理想的でしょう。ランナーの方でなくとも、日々の運動や活動量を把握できるのは健康のために重要だと思いますね
また、原監督が注目するのは計測機能だけではなかった。
引き締まったデザインがいいですよね。メディア出演が多いので身だしなみにも気を遣い、身に付ける時計のクラス感にも注目するようになりました。ストラップを付け替えられて、スーツに合わせやすいのも魅力的です。それに、Suica対応なのも便利です。最近はスマートフォンを使ったキャッシュレス決済の便利さを知り、現金を使う機会が減ってきました。何かと接触を避けようというこのご時勢にもあっていますし。腕時計でサッと買い物を済ませられるのはいいですね
成果を出し続けるための現状把握と身だしなみ、さらにソーラー充電やキャッシュレス決済など、時代の先端をゆく先進機能が凝縮したガーミンの「Fenix 6 Pro Dual Power」シリーズ。時流を捉え、一歩ずつ確実に、自分を知りながら目標を達成したいプロフェッショナルであれば、この新しい形の時計を頭に入れておきたい。
"原メソッド"は、選手の自主性を重んじる指導も有名だ。いちいちレクチャーすることなく、選手自らが考え、行動することを基本とする。これが駅伝王者を生み出したひとつの秘訣だが、自らを律するセルフマネージメント能力はどのように養われるのだろうか。
まず"知る"ことから始まり、"理解"し、"行動"に移し、"定着"させる。そして周りへと"伝えていく"。この5つのサイクルが人間を成長させ、目標達成に至らせる原則です。その意味でセルフマネジメントといえば、やはり自らの立ち位置を"知る"のが重要でしょう。集団における自分のポジションがわからないのに、妄想を働かせてむやみに上ばかり目指しては無理が生まれます。やはり各種の記録やデータを利用し、自分の今の成績を冷静に受け止める。さらには、過度な負担にならない"半歩先"のトレーニングを積み重ねていく。それがいちばんの近道なんですよ。不相応な夢と現実的な目標、その両輪があって成長への道を駆け上がることができるのです
また、徹底した振り返りも重要だという。
学生には約1カ月から2カ月程度の練習計画表を配布するのですが、そこで書かれた内容どおりに進んでいるのか何度もチェックさせますし、僕も穴が空くほど見返しています。計画は立てて終わりではありません。目標に対して今現在でどのように行動できているのか、逐一確認する。これもセルフマネジメントに欠かせません
目標を作成した過去と今、そして半歩先の未来。時をまたいで"知る"ことで、自らが見えてくる。
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fēnix 6 Pro Dual Power
(写真左から)
商品番号 010-02410-35
¥140,000(税別)商品番号 010-02410-34
¥120,000(税別)商品番号 010-02410-45
¥120,000(税別)※すべてのモデルで、別売りのバンドに付け替え可能
青山学院大学陸上競技部監督 原 晋
青山学院大学体育会陸上競技部長距離ブロック監督。1967年、広島県三原市出身。世羅高校、中京大学を経て陸上競技部第1期生として中国電力入社。故障に悩み、5年で競技生活を引退し、1995年に同社でサラリーマンとして再スタート。その後、ビジネスマンとしての能力を開花。陸上と無縁の生活を送っていたが、2004年、長年低迷していた青山学院大学陸上競技部の監督へ就任。2009年に33年ぶりの箱根駅伝出場を果たす。2015年には青学史上初となる箱根駅伝総合優勝に輝く。ビジネスの経験を生かした「チームづくり」「選手の育成」で陸上界の常識を破り、快進撃を続ける。2019年4月より同学地球社会共生学部の教授も兼務している。