シングルサインオン
G Suiteをご利用になる学校(教師や生徒)に対して、ネットワークや端末による細かなアクセス制御や、パスワード強度、ログイン履歴などを簡単にかつ柔軟に設定、管理することができるサービスです。また、他システムへのシングルサインオンを可能にします。
「教育格差」を生むのは貧困だけではない
GIGAスクール構想の実現や小学校のプログラミング教育の必修化など、ICT活用に向けた動きが活発化している。
一方で、文部科学省の調査によると、教育環境や教員のリテラシーにはまだまだ偏りがあり、
新型コロナウイルスの感染拡大で全国の学校が休校になると、その偏りによる弊害が顕在化した。
Withコロナ・Afterコロナ時代におけるICT教育の“今”を追った。
2020/07/15
サテライトオフィス
制作:東洋経済ブランドスタジオ
政府は、IoTやロボット、AI、ビッグデータなどの最新技術をあらゆる産業や社会に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会「Society 5.0」の実現を目指している。
教育現場も例外ではなく、2019年12月に閣議決定された「GIGAスクール構想の実現」には、児童・生徒1人1台の学習用端末と、高速ネットワーク環境などを整備する方針が盛り込まれた。賛否両論があったものの、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大で状況は一変。オンライン授業をはじめ、“新たな教育の形”を考えざるをえなくなったからだ。
サテライトオフィス
執行役員
岡 裕明氏
Googleが提供する教育機関向けのクラウド型グループウェア「G Suite for Education」の導入支援や、学習用に設定した「Chromebook」の販売などを行っている、サテライトオフィスの執行役員 岡裕明氏は次のように話す。
「緊急事態宣言の発令で学校が休校になった際、『G Suite for Education』を導入していた学校は、すぐにオンライン授業へ移行できました。たったそれだけのことだと思うかもしれませんが、慌てて何もできなかった学校が多い中で得たアドバンテージは大きく、子どもたちの間に教育格差が生まれたのは明らかです」
授業数の差がそのまま学力の差につながるとは言い切れない。だが、授業ができるのとできないのとでは大違いだ。現場を熟知する教員の焦りからもその深刻さが伝わってくる。
「2月末に全国一斉休校要請の発表があった直後から、教員からのお問い合わせが急増しました。とりわけ多かったのが、『G Suite for Education』の使い方です。『学校で導入しているが、どう使ったらいいのかわからないので、すぐ教えてほしい』といった具合に、ごく基本的なICTスキルが欠如しているケースが目立ちました」(岡氏)
「ブラウザー」の意味がわからないなど、基本的な用語が通じない教員も少なくないという。同社は、そうした教員のつまずきやすい部分を熟知しており、動画やデモ画面を活用しながらわかりやすく、スムーズに次のステップへと促す。
「日常業務でパソコンを使用してこなかったためICTリテラシーが不足しているだけで、理解すれば、使いこなすまで早いです。教員は教えることのプロですので、使い方を理解した後は、どんどん効率的な授業を実現しています」(同)
中には、ツールを使ってオンライン授業でも習熟度をいつでも確認できるよう工夫する教員もいるという。同社は、こうした成功例を学校の枠を超えて共有したり、学校同士が情報交換するきっかけをつくったりするなど、情報交換のハブとしても機能している。
ICT教育のメリットは、新型コロナによる緊急時だけではない。
授業内容を振り返りたい場合、これまではノートを見返すしかなかった。しかし、「Google Classroom」という学習管理ツールを使えば、授業内容や課題の進捗状況などを1カ所で管理できる。キーワードを検索するだけで必要な情報にすぐアクセスできるので、復習もしやすくなる。
また、1つの課題に教員と児童・生徒の双方がコメントできるほか、課題を画面に映しながらのディスカッションなどもできるため、コミュニケーションが深められる。もちろん、「Gmail」や「Googleカレンダー」「Googleドキュメント」など、さまざまなツールとの連携も可能だ。
「Googleドキュメント」に必要な内容を保存し「Googleカレンダー」と連動させれば、「Gmail」で通知が受け取れる。つまり、学校からの連絡事項をいちいち印刷する必要はなく、スケジュール管理も簡単にできるというわけだ。こうした機能を利用するためのデータ管理には、容量が無制限のクラウドストレージを無料で利用できる。
「G Suite for Education」の利用には、Googleへの申請が必要となる。実は、この申請が導入の際のハードルになっていることが多いという。そこで同社では、初期申請から導入までのサポートを無償で行っている。
「1998年の設立以来、クラウドという言葉がない時代から、サテライト環境で作業ができる技術を幅広い業界に提供してきました。いつでもどこでも、必要な情報にアクセスできるクラウドサービス最大のメリットを、長く享受いただきたいと考え、無償でサポートさせていただいています」(同)
業界によって、あるいはタイミングやシチュエーションによって求められる機能は異なり、パッケージそのままでは対応できない場合もある。そのような場合に備え、同社では、手軽に機能拡張できるアドオンサービスを自社開発しており、約4万5000社が導入済みだ(2020年6月1日現在)。
G Suiteをご利用になる学校(教師や生徒)に対して、ネットワークや端末による細かなアクセス制御や、パスワード強度、ログイン履歴などを簡単にかつ柔軟に設定、管理することができるサービスです。また、他システムへのシングルサインオンを可能にします。
複雑なアンケートをG Suiteと連携し、実現が可能です!
アンケート情報はデータベース化され簡単の集計も可能です!
チャットボットでアンケート収集を可能にします!
気象庁などから地震速報が発した場合に、チャット経由で安否確認機能が可能です!その場で安否確認を実施、安否情報のデータベース化が可能です!
サテライトオフィス・組織&グループカレンダー for G Suiteとは、Google カレンダーのアドオンアプリケーションです。組織やグループ別にメンバースケジュール一覧を表示可能です!
G Suiteとシームレスに動く、クラウド環境のワークフローになります。①G Suiteと同じ環境で動くワークフロー②Googleサイト上で運用が可能③多種多様な高度なワークフローが可能④ワークフローの専用チャットボット経由で、ワークフローの各種通知をチャットで連絡可能
G Suiteとシームレスに動く、クラウド環境のEラーニング機能(ワークフロー付)になります。多様な学習コンテンツの作成、既読/未読、合格/不合格、完了/未完了の進捗管理が可能です!
データベース型業務アプリケーションを簡単に作成でき、Googleサイトにガジェットで追加も可能です!G Suiteとシームレスに動作する、クラウド環境の業務アプリ開発機能になります。
Chromebook/WindowsパソコンのChromeブラウザで作業をする場合に、ブラウザの操作画面を10秒毎(間隔は自由設定)に撮影し、操作画像を管理者のGoogleドライブ上に保存する機能です!
サテライトオフィス が展開するアドオン例(サテライトオフィス HPより)
コロナ禍の今なら、「安否確認」が便利だろう。もともとは、災害時の安否確認用だったが、新型コロナの感染拡大を受けて、体温やせき、倦怠感といった症状を確認できる仕様に。毎朝自動的に確認メールを送信し、返信内容のデータベース化が可能となった。
また、教育機関では、「シングルサインオン」がよく利用されている。自宅やネットカフェ、街角のフリーWi-Fiといった必ずしも安全とはいえないネットワークからのアクセスを制御する機能で、個人情報の漏洩を防ぐことができる。
こうしたアドオンサービスは、教育機関に限り通常より低価格に設定しており、同社が学習用に設定した「Chromebook」とともに導入すれば、活用の幅はさらに広がるだろう。
新型コロナの感染拡大は、教育環境や教職員のリテラシーの偏りを浮き彫りにすると同時に、教育格差という形でその弊害を顕在化させた。国を挙げたICT教育の推進やデジタル技術の進展によって、教育のあり方は今後、変化の一途をたどるだろう。ただ、そうした潮流の中でも、同社は教育業界の支えとなる存在になるのではないだろうか。
「教育のあり方が変われば、われわれが展開するサービスも変わりますが、これまで培ってきた技術力とノウハウを生かして、これからも教育業界を支えていきたいと考えています」(同)