AD

2019/9/2

HAMILTON 未来を創る人の「人生を変えた5分」

いちばん危険なのは、「挑戦しない」こと

vol.1 梅原大吾

日本人初のプロ格闘ゲーマー、梅原大吾氏。2010年には「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネスに認定され、今も業界のトップランナーであり続けている。1/60秒のミスも許されない、刹那の判断力。ゲームに捧げてきた、これまでの人生。梅原氏が生きる"時間"に迫る。

Photo / Hiroaki Sagara Text / Hiroyuki Yokoyama
Direction / Toyokeizai Brandstudio

  • slide1
  • slide2
photo1

人生の転換点となった「背水の逆転劇」

人生を変えた5分とは? その問いにしばらく悩んだ末、梅原氏が挙げたのは、後に「背水の逆転劇」と呼ばれた試合だった。

世界最高峰の格闘ゲーム大会「Evolution 2004」における「ストリートファイターIII 3rd strike」部門準決勝。相手は、アメリカ最強といわれるジャスティン・ウォン氏。お互いイーブンで迎えた最終ラウンド、梅原氏はあと一撃でもダメージを受ければ負けるところまで追い詰められてしまう。勝利を決めに、必殺技を放つウォン氏。しかし梅原氏は、約6~10フレーム(約0.1~0.16秒)というシビアな入力が必要な「ブロッキング」を15回連続で成功させ、大逆転を果たす。

この様子を収めたYouTube動画は200万回以上再生され、ゲーム史に残る伝説となった。

「これを最後の大会にしようと決意していて、その後、実際ゲームの世界からしばらく離れました。この試合も、当時の僕にとってはそこまで特別な試合ではなかったんです」

しかし、この動画で飛躍的に高まった知名度が後に大きく運命を後押しすることになる。

photo2

挑戦しないことのほうが大きなリスクになる

1フレーム=1/60秒という単位で競い合う格闘ゲーム。そのような刹那の時間をどう制するのか。意外にも反射神経以上に大事なのが、物理的な入力のタイムラグを極限まで少なくすることだ。

「3カ月ほど前から、左手でもボタン操作でキャラクターを移動させるレバーレスコントローラーの『ヒットボックス』を導入したんです。熟練度を高めれば、理論の上ではレバーより速く押せる。ただ25年以上もレバーに慣れ親しんでいましたから、すぐには対応できません。左手でのボタン操作は最初ものすごいストレスでした(笑)」

新しい機器に適応できずに調子を落とすリスクもあった。しかし梅原氏は、「挑戦しないことのほうがリスク」だと信じていた。

「『挑戦』は将来的な安全を手に入れる行動で、動かないほうがよっぽど危ない。新しい取り組みを嫌うのは、きっと精神的な衰えです。リスクがあるからやらない、というのは引退の第一歩。同じことを繰り返すばかりだと、惰性でやっているようで、自分が成長できているのか不安になります。モヤモヤを少しでも晴らすためにも、つねに動き続けていたいんです」

photo3

道筋が見えない未知だからこその魅力

刹那が勝負を分けるゲームに、30年近い時間を費やしてきた。

自身のゲーム熱に周りとのズレを感じていた10代、秋葉原のゲームセンターで同じ価値観を共有できる仲間と出会い、さらにのめり込んでいく。

「未知のものが好きなんです。子どもの僕には勉強やスポーツは道筋が見えていてピンとこなかった。ゲームは、役に立たないと言われるほど、やってみなければわからないという冒険心が湧いてきたんです」

そうして15歳で日本一に、17歳で世界一に輝いた。だが、達成感は一瞬で、自分が『強いヤツ』の頂点に立ってしまったことに急にむなしさを覚えてしまった。22歳、「背水の逆転劇」を生んだ大会後にゲームの世界を離れる。養われた勝負勘が生きる麻雀、その次にやりがいを求めて介護の道へと進んだが、友人からの誘いを断れずに参加した世界的ゲーム大会で再び優勝を果たした。動画ですでに“伝説”となっていた「ウメハラ」の復帰は大きな話題となり、直後にプロ化のオファーが入った。

「悩みに悩みました。前例がない、追いかけられる理想像もない。でも今さら怖気付いてもしょうがないし、やってみるかなって。若いときの貴重な時間を全部費やしてきたわけですし、僕の人生のラストチャレンジみたいな気持ちでした」

photo4

好きだから熱が失せても続けていられる

プロゲーマーとして心がけているのは、「勝つこと」ではなく「勝ち続けること」だ。

「熱意は、いつか失せます。いっときの情熱が引いたあとも定期的に時間を割き、目指していた物事に励めるか。『有名になりたい』『お金がほしい』というだけでは勝ち続けられなかったでしょう」

情熱を絶やさずに勝ち続ける姿勢。それは、ウォッチメーカーであるハミルトンが120年以上にわたり業界のパイオニアであり続ける理由と合致する。その長い歴史は、革新的なモデルを世に送り出してきたことで知られており、革新的な機構と常識をくつがえすデザインで時計界の常識を打ち破ってきた。

「腕時計はあまり詳しくないのですが、このモデルにはすごく心惹かれました。なにか、自分と相通じる部分があるようにも感じるんです」

業界を切り拓いてきた梅原氏の目に留まったのは「イントラマティック オートクロノ」だ。1968年発売モデルの復刻版であり、ハミルトンの挑戦心と情熱を象徴する1本である。特徴的なオフホワイトとスモーキーなブルーのパンダダイヤルが発売当時のクラシカルな味わいを残しつつ、現代的なサイズにアップデートされたケースや、60時間の標準持続時間を備える自動巻きムーブメントが最新性能を約束する。

「燃えるような熱は、ゲームが大好きな人ですら失せますが、失せた後も好きだから続けられる。結局好きなヤツっていうのが、やっぱり強いと思いますね」という梅原氏。未知なる世界への挑戦が彼をさらに強くする。

イントラマティック オートクロノ

ハミルトン
イントラマティック オートクロノ

H38416541

¥260,000(税抜)

機械式自動巻き H-31/ステンレススチールケース/ケース径40mm/サファイアクリスタルガラス/10気圧防水

詳細はこちら
梅原 大吾

プロ格闘ゲーマー
梅原 大吾

1981年、青森生まれ。1998年、17歳で「ストリートファイターZERO3」世界大会で優勝し、世界一の称号を獲得。2010年4月、アメリカの企業とプロ契約を締結。20年以上にわたり、格闘ゲーム界のカリスマとして君臨。欧米では「The Beast」のニックネームでも知られている。