一流の睡眠は「まくら」で決まる まくらでバレる! デキない人のダメ睡眠一流の睡眠は「まくら」で決まる まくらでバレる! デキない人のダメ睡眠

東洋経済オンラインは2017年11月、サイトリニューアルから5周年を迎えます。そこで東洋経済オンラインのご愛読者さま向けに、プレゼント企画を考えました。ムアツのマットレスで有名な昭和西川さんとのコラボ商品、その名も「一流のまくら」です。
日々仕事に、スキルアップに、さらに家事育児にも励む読者の皆さまに、最高のリラックスと安眠をお届けしたい――。
話はある日の編集部での会話から始まります。

編集長に「まくら」がない?!

××9月某日、平日夕方の編集部××

編集M

ねえ、編集長って、まくら持ってないんだって。クッション丸めて寝てるって。知ってた?

編集Y

ああ~~。編集長、疲れ知らずのサイボーグですもんね。睡眠時間が短いショートスリーパーだから、まくらとか、要らないのかも。

編集M

いやいや、睡眠時間が短いからこそ、いいまくらを使って、いい睡眠とったほうがいいよね。

編集Y

いくら体が強くても、一応、人間ですもんね。しかし、まくら環境、三流ですね。

編集長・山田

誰がサイボーグ、誰が三流……。

編集M・Y

わっ。

編集長・山田

まあでも、まくらは確かにほしいかな。きちんと選ぼうとすると、値段も高いし、何を買っていいかわからないまま、今まできちゃって。

編集長がまくらがわりにしているクッションの証拠写真

編集長がまくらがわりにしているクッションの証拠写真。つい床で寝てしまう日も…(注:絶対に真似しないでください)

編集Y

確かに。実は私も、社会人になったときに親に買ってもらった羽毛まくらを、そのまま十数年使ってます。あと家にあるのは、伊香保温泉に行ったときに旅館の売店で買ったまくらだけ……って、全然人のこと言えないですね……。

編集M

まくらって、値段がピンキリだし、それなりの値段を出して、もし自分に合わなかったらどうしようと躊躇しますよね。失敗がこわい。

編集Y

うーん。ちょっとリサーチしてみますか。

(さっそく、東洋経済新報社本社のすぐそば、日本橋浜町にある昭和西川さんへ。)

編集M

ということで、いいまくらを、探してるんです。ざっくりした質問で恐縮ですが、どう選んだらいいんでしょうか。

西川ユカコ常務

ひとつのポイントは“高さ”ですね。いろんな方のまくらを見聞きしていると、だいたい皆さん、ふかふかの高いまくらで寝ていらっしゃいますね。

編集Y

はい、それがリッチなまくらのような気がして。

丁寧に説明してくださる西川ユカコ常務(写真右)と山倉賢一企画部部長(同左)

丁寧に説明してくださる西川ユカコ常務(写真右)と山倉賢一企画部部長(同左)

西川ユカコ常務

ところが実はそれだと、寝たときに頭が前傾してしまって、首が曲がりますね。すると呼吸がスムーズにできなくなるんです。

編集M

言われてみると、確かに。どういう姿勢が自然なんですか?

西川ユカコ常務

首と頭の位置関係を見るといいですね。横になって寝た状態と、壁に向かって立った状態が近いと、自然だといえますね。ちょっと皆さん、寝てみますか。

気持ちよさそうですが、あごが上がり、首が曲がっているような…

気持ちよさそうですが、あごが上がり、首が曲がっているような…

部長I

う〜ん、いい寝心地です。

編集Y

でも横から見ると、首が曲がってます。ちょっと高いのかも。低いほうはどうでしょう。

まくらが低くなり、首もまっすぐに

まくらが低くなり、首もまっすぐに

編集Y

これだったら、首が曲がらず自然ですね。

西川ユカコ常務

そうですね。

ほかのメンバーも寝心地を確かめます

ほかのメンバーも寝心地を確かめます

編集Y

高さのこと、よくわかりました。あとは材質も重要ですよね。これも世の中いろいろありますね。そば殻から低反発まで……。

西川ユカコ常務

お好みにはなりますが、ちなみにうちの主力商品だと【ムアツ】ですね。【ムアツ】ってその昔、王貞治さんが宣伝していたマットレスを覚えてますか?

一同

ああーーー!!!

西川ユカコ常務

ムアツは、特殊なウレタンを卵を並べるような形にカットしています。ポイントは、卵の点で頭や体を支えること。そうすることで圧を分散し、頭や体が沈み込みすぎず、自然で安定した姿勢を保つことができるんです。

ムアツのまくらも作っていて、4年前から開始した「ムアツ スリープ スパ」というシリーズでは、材質をいろいろ変えて作っています。しっかりとした弾力で頭を支える【高弾性】、しっとり軟らかく頭にフィットする【低反発】、あと、通気性がよく、ムレにくい【高通気】を作っています。

部長I

僕は、通気性がいいほうがいいな。40代になると男性の多くが加齢臭を気にすると思うんですが、その加齢臭、首の後ろから出るといいますよね。僕はまだ大丈夫だと信じてますが、まくらの通気がいいと安心です。

マーケK

私は、こちらの高弾性タイプ。高通気タイプはしっかりとしていてやや硬めに感じますが、それに比べると、このなんともいえない軟らかさがいいですね。

部長I

いや、やっぱり硬さがないと。

マーケK

でも軟らかく、包み込まれたい……。

…どちらがいい論争、えんえん続く…

…どちらがいい論争、えんえん続く…

西川ユカコ常務

ちなみに防臭という点では、まくらを包んでいる生地にはポリジン加工をしています。天然銀イオンの力で、においの原因になるバクテリアの繁殖を抑えます。100回くらい洗濯しても、効果が持続するんですよ。

部長I

それはうれしいです。

マーケK

まくらは、高さも変えられるんですね。

西川ユカコ常務

そうなんです。取り外しができるウレタンのシートを4枚を入れています。1枚5ミリメートルの高さで、この4枚で2センチメートル分、高さ調節できるんです。これだけあると大体の方の頸椎の凹みをカバーすることができます。

そもそも、まくらって頸椎のくぼみを埋めるためのものなんです。ご存じでしたか?

編集Y

……頭を高く上げるためのものだとばかり思っていました。ポイントは頸椎、なんですね。

西川ユカコ常務

それでいくと、ベッドのマットレスは腰のくぼみを埋めるためのものです。いずれもくぼみを埋めることで、スっと立ったときと同じ、理想的な寝姿勢をつくるんです。

編集Y

それも知らなかったです……勉強になります。

マーケK

ところでムアツは、このモコモコした山が特徴ですよね。これ、どうやってできているんですか?

西川ユカコ常務

一言でいうのは難しいんですけど……せっかくなので、ちょっと、工場で見てみますか? 工場、山梨ですけどね。

編集Y

山梨ですか。遠いですね……。いや、でも、ぜひお願いします!

……と、西川常務のお言葉に甘える形で、山梨県にある工場を見学に行くことに。そこではムアツの意外な作り方が明らかに――。

判明! ムアツの“モコモコ”の秘密

編集Y

新宿から特急で2時間。山梨の甲府から身延線に乗り換えてさらに30分。のどかでいい場所ですね。

工場長

この工場はここで50年近くやってます。ウレタンの工場なんです。さっそく、ご案内します。

編集Y

ありがとうございます!

多種多様なウレタンを扱う工場で、敷地も広々としています

多種多様なウレタンを扱う工場で、敷地も広々としています

製造課課長代理

まずは、“ちょうじゃく”の保管庫からご案内しますね。

編集Y

ちょう、じゃく、ですか??

製造課課長代理

長い尺、長尺です。それがこれですが……。

編集Y

うわっ、これは本当に長い!

どどーん!

どどーん!

工場長

これで長さ60メートルあります。

編集Y

先が見えません。

工場長

小学生の工場見学でもここが人気でした。

編集Y

子どもと同じところではしゃいでますね。でも、これは大人でもびっくりです。

このインパクト!いい大人ですが、はしゃがずにはいられません

このインパクト!いい大人ですが、はしゃがずにはいられません

編集Y

ところでこの巨大なウレタンの棒、いったいどうやって作るんですか。

製造課課長代理

簡単にいうと、ポリオールとイソシアネートという物質を混ぜるんです。すると化学反応を起こして、20倍以上に膨張し、この形になります。時間にすると30分くらいでしょうか。何と何をどういう比率で混ぜるかなどで、出来上がりが変わります。

編集Y

化学実験みたいですね。わくわくします。

製造課課長代理

ウレタン一筋20年以上の私でもわくわくします。

工場長

先ほどの60メートルの棒を短くカットしたものがこちらです。これを移動させて、いよいよ加工に移っていきます。

この肌色のウレタンが、ムアツのまくらの土台になります

この肌色のウレタンが、ムアツのまくらの土台になります

製造課課長代理

先ほど短くした短尺のウレタンを、ここでスライスしていきます。丸い土台が回って、上に乗せたウレタンがカッターでどんどん切れていきます。

編集Y

巨大なケーキカッターみたいですね。ほんの数秒、あっという間です。

ロータリースライス機でウレタンをうす~くスライスしていきます

ロータリースライス機でウレタンをうす~くスライスしていきます

製造課課長代理

次が、いよいよ【ムアツのモコモコ】誕生の瞬間です。プロファイル機という機械で裁断していきます。

編集Y

すごくデコボコしたローラーですね。

製造課課長代理

このローラーをウレタンに押しあてつつ、同時にカットしていきます。1枚のウレタンをこのローラーに通すと……。

先ほど薄くスライスしたウレタンを、“ギュイーン”と、デコボコしたローラーに通すと…

先ほど薄くスライスしたウレタンを、“ギュイーン”と、デコボコしたローラーに通すと…

編集Y

モコモコにカットされた2枚になりましたね。わあ~。すごくモコモコしてます。モコモコ萌えしてしまいそうです。

ウレタンのすみずみまで、満遍なく“モコモコ”しています

ウレタンのすみずみまで、満遍なく“モコモコ”しています

製造課課長代理

このローラーを変えることで、モコモコの高さを調整します。ちなみに同じムアツでも、まくらとマットレスで、また商品によって、山の高さは違います。

編集Y

頭を支えるのに適した山の高さと、全身を支えるのに適した山の高さと、あるわけですね。

マットレス用のウレタンも、作り方はまくらと同様。ローラーの違いで、まくらとは違ったデコボコ面に

マットレス用のウレタンも、作り方はまくらと同様。ローラーの違いで、まくらとは違ったデコボコ面に

マットレスはまくらよりデコボコが大きく、「卵」を半分にカットしたような形

マットレスはまくらよりデコボコが大きく、「卵」を半分にカットしたような形

工場長

モコモコに切ったものを、こうして十字型にカットして、本体に張り合わせていきます。その工程がここですが……。

デコボコ面に、このあとまくらの土台になるウレタンを張り付けていくのですが…

デコボコ面に、このあとまくらの土台になるウレタンを張り付けていくのですが…

編集Y

えっ、一つひとつ手作業ですか?

工場長

実はそうなんです。のりをスプレーで側面に噴射して、1つずつ張り合わせていきます。

一つひとつ手作業!

一つひとつ手作業!

貼り付けは「一発勝負」。息をのむ瞬間です

貼り付けは「一発勝負」。息をのむ瞬間です

編集Y

まくらの形状を決めるので、絶対にズレが許されないですね。ところでこれ、失敗したら剥がして張り直せるんですか。

工場の方

いえ、基本的に一発勝負です。剥がすとウレタンがボロボロ取れてしまうので……。

のりをスプレーでダイナミックに噴射しています

のりをスプレーでダイナミックに噴射しています

編集Y

もし自分がやると思うとヒヤヒヤです。まさに熟練の技ですね。それでも最初の頃など、たまに失敗はありましたか。

工場の方

いえ、自分はないです(キリッ)。

編集Y

さすがです。それにしても工場長、こんな細かな手作業は、よくあるものなんですか?

工場長

いえ、ほかにはめったに……。 うちでも工程が細かくて難しい商品、ベスト3に入ります。

編集Y

やはり……。

製造課課長代理

そして最後、まくらをカバーに入れて、出荷するまでの工程となります。意外とここが神経を使います。汚してしまっては商品になりませんので。

30年この工場で働いているという職人さん。丁寧に作業されていました

30年この工場で働いているという職人さん。丁寧に作業されていました

編集Y

ここも手作業で、まくらを一つひとつ袋に入れていくと。あっ、まくらの下にビニールシートを入れましたね。

製造課課長代理

そうなんです。ウレタン自体、表面が滑りにくいので、すっと布のカバーに入らず、こうしてビニールを1枚挟んで入れると、滑って早いんです。

編集Y

そして、最後にスッとビニールを抜くんですね。最近編み出したやり方ですか?

製造課課長代理

いえ、もうムアツを最初に作り始めた50年近く前からやっていると思います。

編集Y

ああ、このひと手間にも、受け継がれた歴史があるんですね。

それにしても、素材にしろ、張り合わせにしろ、これだけの手間をかけていると思うと、儲かるのか少し心配にもなってきます。前に朝のテレビ番組で【儲かるポリウレタン】という企画をやっていたのを見ましたが、これはもしや【儲からないポリウレタン】では……。

工場長以下

……(シーン)

製造課課長代理

原料の価格、加工の特殊さ、工程の数、ロットの数、複数の条件が組み合わさって儲かる、儲からないは決まります。ただ、いろいろ特殊な条件がこのまくらに入っているということは、事実ではあります。

編集Y

消費者にとっては、お得、ということかもしれませんね。すごく手間がかかった製品だということ、とてもよくわかりました。今日はありがとうございました。

「ムアツができるまで」がわかって大満足!の編集Y

「ムアツができるまで」がわかって大満足!の編集Y

再び、東洋経済新報社・本社にて

編集Y

編集長、モコモコの秘密、見てきましたよ。思ったより複雑な工程で、手間暇をかけて作られていました。そんなまくらで毎日寝ると思うと、夜寝るのが少し待ち遠しくなりそうです。そしてこれで、編集長も三流のまくらから、一流のまくらになれます!

編集長山田

いや、だから、三流って……。

編集Y

(無視して)はい、これが【一流のまくら】です。東洋経済オンラインのロゴも入れてもらいました! とりあえず、高弾性タイプをどうぞ。

編集長山田

おおお〜〜いいねー!

編集Y

いっぱい寝て、元気に長生きしてくださいね。

編集長山田

いや、まだ全然そんな年じゃないから…!




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※掲載画像はイメージです。実際の商品とは異なります。

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