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コネクテッドホームの幻想

もっとも身近である住宅関連のIoTは、多くの企業が参入し「進んでいる」感がある。家の中に様々なセンサーを取り付けた監視サービスや、スマート家電とモバイルデバイスによる家電の遠隔操作サービス等がすでに登場済みだ。

しかし、このままでは限界がある。サービスの数だけソリューションは作られ、それにともない顧客情報の管理もID・Passの保管もサービスに存在する。多くの負担はユーザーにのしかかり、サービスの数だけIDを作るような世界は「ディストピア」でしかなく、果たして便利な世界とは到底言えない。

また、現在中心となっているのは、家の外からスマホで家電をコントロールするといった、少し高度な「リモコン機能」といった体験しか提供できていない。これでは家電と家電をネットワークで繋ぐことは出来ず、ユーザーが驚く新たな体験を提供できているとは言い難い。

コネクテッドソリューションの必要性

スマートフォンをはじめとしたサービスのためのデバイスのバックグラウンドを、ひとつのプラットフォームがトータルで管理することが求められている。否、もう実現し始めている。

たとえば寝ている時の体温をウェアラブルデバイスで検知し、エアコンの温度を自動的にコントロールする、家の不在を検知してブラインドを閉めるといった、顧客が無意識に自動的に最適な環境を提供するサービスである。

これらは、共通するプラットフォームがそれぞれのデバイスを統合管理しているからこそできるサービスである。スマート家電やウェアラブルデバイスのログデータを統合されたプラットフォームに格納。それぞれのデータを統合的に解析し、最適なサービスとして提供することで上記の世界は実現する。これは、スタンドアローンだったサービスが広範囲につながるということを表しており、ユーザーの手間が減るという次元を超えて、無意識に最適な環境がコントロールされる世界の実現である。ディストピアになりかけていたコネクテッドホームが、ユートピアになる未来が見えてくることになる。

さらなるつながりへ

コネクテッド・ビークルとして注目が高まるクルマのIoTは、その母艦といえる家との関連が強い。たとえば電気自動車であればクルマのパフォーマンス管理は車上でなくてもいいし、またインフォテインメントな情報はHomeで取得することも多いからである。これまではドライブ・音楽を聴くといった車の中の体験が限定されていたが、一つの重要なパーソナルスペースとして、家で出来ることを車の中でも体験できるようになりつつある、つまり車がリビングになるのだ。

家と電力の関係は、自由化にともないその関係性にユーザー視点が強く求められている。家で稼働するコネクテッドサービスはどのように電力を使い、また、どう省エネを促進できるのか。
ダイナミックな変化の乏しい電力業界をコネクテッドホームに「組み込む」ことも進んでいる。

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