今、モノづくりが変わりつつあります。つながるクルマ、つながる家電、つながる工場など、モノ単体での価値だけではなく、通信ネットワークとの融合によってモノを超えた情報やサービスを含めた、多様な価値をエンドユーザーによりダイレクトに提供していく時代です。そのようなIoT時代のモノづくりでは、情報をコントロールし、きめ細かくモノを制御するソフトウェアの重要さが増してきています。
加えてモノとネットワークの融合は、外部とつながるというイメージそのままに、技術そのものにおいてもオープンなイノベーションを求められ、多くの製造業では、国内の開発拠点での「大部屋でワイガヤ」といった集約型の設計開発から、海外を含む遠く離れたロケーションの知恵や技術力を取り入れる開放型の設計開発にシフトすることを迫られています。
更には、新興国を含むマーケットの多様化、国内エンジニアの枯渇といった環境の変化も、設計開発のグローバル化を加速させており、ソフトウェア化するモノづくりをいかにグローバル分業で実現できるかが、多くの企業が直面している喫緊の課題となっています。
そこで本カンファレンスでは、「設計開発のグローバル化がもたらすエンジニア競争時代」と題し、ソフトウェア化するモノづくりと設計開発のグローバル化の大きな波の中で、日本の製造業という企業視点のみならず、アジアの中でも"高価"な日本のエンジニアがどのようにしてサバイバルしていくのか、その具体的な戦略について、専門家による講演、先進企業の取り組みとともに考察します。
日時 | 2015年12月11日(金) 13:30~16:30 (受付開始 13:00) |
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会場 | コングレスクエア日本橋 東京都中央区日本橋1-3-13 東京建物日本橋ビル2階(地図) |
参加費 | 無料(事前登録制) |
定員 | 100名(事前登録制) |
対象 | 製造業、自動車サプライヤー企業およびエレクトロニクス、ハイテク企業の開発部門の責任者など (※対象外のお客様のお申し込みはお断りする場合がございます。 ) |
13:30~14:30特別講演
ボッシュにおける「インダストリー4.0」の定義とは何か、どんな特徴があるのか、インダストリー4.0が私たちの未来にどのような変化をもたらすかについて、インダストリー4.0を成功裏に導入した受賞事例の1つで、未来のネットワーク化された生産システムの1例となるドイツのホンブルク工場のマルチ生産ラインの事例とともに説明していきます。
ボッシュ株式会社 専務取締役 満岡 隆一 氏
1982年に当時のヂーゼル機器(現 ボッシュ株式会社)に入社。主に生産技術部門、開発試作部門を経て、2009年に常務取締役 シャシーシステム事業部長、2011年に専務取締役 ディーゼルシステム事業部長を歴任後、2013年より現職の専務取締役 製造総括として日本のボッシュグループ生産工場を総括したボッシュ生産システム(BPS)の推進展開。日本発のインダストリー4.0の推進、安全環境総括責任者等を担当。
14:30~15:15問題提起
設計開発の海外拠点を立ち上げる取り組みは2000年代から始まっており、実際に多数の製造業が海外での製品開発を行っています。しかしながら、成功と言い切れる事例はさほど多くありません。一方実際の開発現場、特にソフトウェア開発ではリソースが不足しており、グローバル分業どころか、日々、目の前の膨大な業務にエンジニアが忙殺されているといった事態に陥っているケースも多く見られます。設計開発がグローバル化することの本質的な意味を整理し、日本のエンジニアが生き残る術について考察します。
アクセンチュア株式会社 製造・流通本部 マネジング・ディレクター 相馬 修吾 氏
2000年にアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。自動車や産業機械など"重いモノ"から、コンシューマ・エレクトロニクスなどの"軽いモノ"まで、製造業における製品設計・開発体制およびプロセスのコンサルティングに多数従事し、近年はR&Dにおける海外リソース活用の推進に寄与。
15:30~16:00事例考察
製造や販売のみならず、設計開発の領域においても急速なグローバル化のニーズが高まっています。継続したコスト低減、開発スピードの加速、国内高付加価値人材の不足など、重い課題を抱える一方で、更なる付加価値の創出が求められています。設計開発領域における更なる価値創出のためには、開発業務の工業化、および高付加価値人材の最適配置、グローバルソーシングが強力な「打ち手」となります。短期的な眼前の業務改善に留まらず、中期視点での構造改革による更なる価値創出とその体制構築について、人材最適配置、グローバルソーシングの成功の要諦を、先進企業における事例を交えてご紹介いたします。
アクセンチュア株式会社 通信メディアハイテク本部 マネジング・ディレクター 田中 陽一 氏
1991年ににアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。ハイテク企業を中心に各種業界にて、事業戦略立案、新規事業戦略、BPR・BPO・SCM・CRM等の企画~実行支援コンサルティング等を行う他、講演等も多数実施。近年はハイテク企業を中心に、設計開発領域のコンサルティングサービスを行う。2015年よりエレクトロニクス・ハイテク統括。
16:00~16:30ディスカッション/Q&A
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