企業の不祥事を伝えるニュースが後を絶たない。が、その多くが「これは長年の慣習だから」あるいは「ちょっとおかしいと感じるが、きっと誰かが手当てをしているだろう」と放置されていたことが表面化し、大きな反響を呼んでいるのだとも想像できる。つまり、ニュースになっている事象は、決して対岸の火事ではないということだ。自分のオフィスや社内の業務プロセスを見渡しただけでも、大きな問題につながりかねない慣習や思い込みというリスクがあるはずだ。
もちろん、「こうしたら、もっとうまくいくのに」といった前向きな問題意識も「こんなこと、誰かが考えているはず」と放置されていることもあるだろう。しかし、誰かではなくあなたが動き出さなくては、今のままだ。時には、ニュースになるほどの負のインパクトを社会に与え、一方では気づくことさえないままに機会損失を続けることにもなりかねない。
とりわけ、新しいビジネスや仕組みの領域では関連部署が見合ってしまい、お互いが「これはウチの責任ではない」と問題が先送りされるケースが少なくないはずだ。その一つが社内システムや一般向け会員サイトでのモバイル対応に加え、各サイト間でのシングルサインオンとソーシャルやクラウドとの認証連携による利便性強化ではないだろうか。確かに、社内システムであれば運用のルールを決める、会員向けサイトであれば訴求力の高いコンテンツの拡充や集客力を高めるバナーを制作するといった領域では担当者が責任をもってコミットしていることだろう。が、ここに大きな隙間があることを指摘する声がある。
それが、サイトの入り口。不正ログインを排除しつつ、正規なメンバーのみを迎える認証の領域は、見過ごされがちだ。そう、「長年の慣習」や「誰かが手当てしているはず」と放置されがちなスポットがここにある。とりわけ、スマホやタブレットなどが加速度的に普及している中で、認証の課題を放置することは、リスクを増大させるばかりではなく絶好の機会を逃すことにもつながりかねない。
何しろ、環境が激変している。最近では、メールの確認はもちろん、スケジュールの更新や貴重な情報資源へのアクセス、顧客とのコミュニケーション手段としてなど、仕事に関連したさまざまな用途にスマートデバイスが利用されている。が、その一方では、相次ぐ不正ログインのニュースも気になるところだ。いずれにせよ、単なるIT機器以上の役割を果たす重要なビジネスツールとなっている今、スマートデバイスに対するセキュリティ対策を考える上でも、認証の重要性が高まっていくことは間違いない。企業で働く誰もが、とりわけ、マネジメント層が"自分ごと"として積極的にかかわっていく必要があるとも言えるだろう。
ただし、ここでジレンマに直面する。認証領域のセキュリティを高めるあまり、必要な情報にアクセスするたびにログインに手間取るようでは、生産性そのものに影響してしまう。スマートデバイスやソーシャルメディアを経由して自社のサービスにアクセスしてもらうといった"顧客接点の手段"として利用する場合も例外ではない。情報セキュリティばかりに気を取られてしまうと使い勝手が悪くなり、結果としてビジネスチャンスを失う可能性があることを忘れてはならないだろう。必要なのは、高度なセキュリティを担保しながら利用者の利便性を損なわない認証の仕組み作りだ。
利便性を向上させる仕組みとしては、多くの方が利用しているソーシャルメディアと同じIDで自社のサービスにアクセスできる認証の仕組みや、複数のサービスを一つのIDで利用できる環境作りなどが具体的な例として挙げられる。そこで多くの企業で活用されているのが、オラクルが提供する「Oracle Identity Management」だ。
「Oracle Identity Management」は、スマートデバイス活用における情報セキュリティを強化しながら、利用者の利便性を向上させることが可能なソリューション。一つのIDを利用することで複数のサービスが利用できるシングルサインオン環境を構築することができる。利用者自身が持つソーシャルIDを利用することで自社サービスへのアクセスを簡素化するだけでなく、パソコンやタブレットなどマルチデバイス対応をサポートすることで、あらゆる場面でサービス利用を促すことが可能だ。アクセル履歴から消費者の行動分析により、ニーズを捉えることで、事業者はより生産性の高い重要な業務に注力することもできる。もちろん、なりすましなど不正アクセスへの高度な対策も実装することができるプラットフォームとなっている。
また、オラクルのソリューションを導入することで、社内におけるID管理の強化にも大きく貢献する。すでにグローバルでのビジネス展開が欠かせない今の時代、関連会社も含めて数多くのIDを統合的に管理する基盤作りはもはや避けられない状況にある。そこで、情報にアクセスするための高度な認証基盤としてだけでなく、数万人規模のIDを統合的に管理する基盤として、オラクルの知見が大きく役立つものになる。
社内での活用だけでなくビジネス拡大に向けた攻めのID管理を実現するオラクルのソリューション。幅広く活用できるプラットフォームが、これからの時代に求められる重要な基盤となってくるだろう。