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仕事に集中できる場所、心が安らぐ場所、仲間と語りあえる場所……。その日の気分やタスクの内容にもよるだろうが、人にはそれぞれ働きやすい場所がある。そういう場所で仕事をすれば能力がフル回転し、いい仕事ができる。多くの企業がそういうことに気がつき始めたのだろう。ここ数年、オフィスのあり方が確実に変わってきている。どんな場所が心地よく働きやすいのか、仕事内容の異なる3人に聞いてみた。人々が求める新しいオフィス像や働き方のありようが、そこから見えてきた。

制作・東洋経済企画広告制作チーム
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ランチタイムは
みんなでちゃぶ台を囲んで

小室淑恵

ワーク・ライフバランス 代表取締役社長
小室淑恵

900社以上の企業へのコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げるコンサルティング手法に定評があり、残業削減した企業では業績と出生率が向上している。「産業競争力会議」民間議員など複数の公務を歴任。2児の母

小室氏にとってオープンカフェは、居るだけで刺激になる場所だという。「道行く人や周囲の人の会話から、世の中の動きやいろいろな仕事模様が見えてくる」と話す。インプットもアウトプットも自在にできる、まさにマルチ対応可能な場所と言えるのではないだろうか

 コンサルをしていて思うのは整理整頓の重要性。探し物と作業スペースの確保だけで2割くらい残業が増えている会社もたくさんあります。

 整理整頓は、情報や仕事の属人化排除にも効果的です。資料は各自のデスクにため込まず、スキャンしてデジタル保存すれば、在宅勤務している人もいつでもアクセスできます。大事なのはゴールまで最短で走ること。一人で走り切る必要はありません。でも、情報が共有されていないとバトンがつなげない。おのずから情報を共有せざるをえないようなオフィスを設計すること。チームで仕事をするうえでは、それがとても重要です。

 企業への提案内容などを考えるとき、私はお気に入りのオープンカフェに行きます。道行く人たちを見たり、周りのテーブルで話している人たちの会話を聞いたりしていると、世の中の動きやいろいろな仕事模様が見えてきます。オープンカフェは、インプットしつつアウトプットできる絶好の場所。もっと集中したいときは、イヤホンをつけてヒーリング音楽を流す。それでたちどころに一人の世界に没頭できます。

 社内で居心地がいいのは、みんなでちゃぶ台を囲んでお昼を食べる部屋。私の会社、実は玄関で靴を脱いで上がるようになっているんです。だからその部屋にはモコモコしたカーペットを敷いて、ちゃぶ台を置いています。ここで社員たちと話をしていると、心身ともに本当にリラックスできます。

 ワークライフバランスの実現には、仕事の付加価値を高めることも必要です。生産性の要は勝率。1回の提案でお客様に納得していただければ、何度も提案を修正し、お客様を訪問する必要はなくなります。お客様の価値観がわかるだけの多様性のある価値観を自分がどれだけ内包できるか、考え方のダイバーシティを持てるかがポイント。そのためにはさまざまなコミュニティにかかわり、多様な人との接点を持って、さまざまなインプットをすること。私は下の子を保育園にお迎えに行くとき、ほかのママやパパたちとお話しする機会を持てる育児コミュニティを大切にしています。

 仕事と私生活のいい意味での相互作用を起こすワークライフシナジーが、そうして生まれるのです。

楽しんでやらなければ
いい仕事をできるはずがない

村松亮太郎

ネイキッド CEO
村松亮太郎

1971年、大阪府生まれ。映画、MV、空間演出などジャンルを問わず活躍。代表作は、東京駅の3Dプロジェクションマッピングショー『TOKYO HIKARI VISION』 やテクノロジーとアナログ的表現を融合した体験型イベント『FLOWERS BY NAKED』など

「昔の典型的なオフィスは嫌い」と村松氏が話すとおり、ネイキッドは設立当初からオフィスにはこだわりを持ってきたという。食とアートが融合するレストラン「TREE by NAKED」をつくったのもその延長だとか。いまは、そこで仕事をすることも多いようだ

 車の中で会議をすることがあります。必要なメンバー3~4人に声を掛け、行き先も決めず、とりあえず出発します。運転は僕。もちろん安全には十分気を付けますが、景色が動いていると思考も動くんです。運転しながらだとかえって集中もできる。渋滞の多い都内よりは、高速とか、地方の国道くらいがちょうどいい。気がついたら伊豆まで行っていたということもあります。みんなで温泉宿に泊まって会議を続け、翌朝帰りました。温泉で遊んでいたと思われたら困るから、しっかり成果を出さないといけない。そういうプレッシャーもある。温泉に入りながら、案外自分を追い込んでいたのかもしれません。

 仕事をどんな場所でするか、ということにはこだわります。でも、この場所でやりなさいと決められるのは好きじゃない。そのときの感覚とか一緒に仕事をする顔ぶれ、天候など複合的要素で場所を選びます。フィーリングが合えば、どんな場所だって仕事はできますよ。

 ずっと同じ場所にいると景色が固定化されます。クリエイティブな仕事のために刺激が必要なら、移動すればいいんです。旅に出るといろいろ感じるじゃないですか。あ、木漏れ日がいいな、とか。東京だって木漏れ日がいい場所はあるはずなんです。でも、毎日決まったパターンで過ごしていると、木漏れ日への意識が薄れてしまう。

 クリエイティビティを刺激される場の一方、居心地のいい場もあります。でも、それもそのときどきで違う。やはり固定化しない、移動するということが重要なんです。ノマドという言葉がよく使われるようになるはるか前から、僕たちはずっとノマドしていましたよ。

 プロジェクションマッピングとかフラワーアートとか、それを見たり聞いたりした人がグッとくるものをつくるのが僕らの仕事です。休みの日とか貴重な時間を使って見に来てくれるわけです。でも、つくっている僕らが楽しんでいないと、見に来る人が楽しいはずがない。解放されたいと思って来るのだから、まず僕らが解放されていないと。だから僕は、これからも仕事をする場にはこだわりたい。楽しんで仕事ができる場じゃないと、いい仕事なんてできませんよ。僕らは、新しい価値を提供できる「場」をつくっているけど、その手段にこだわりはないんです。

文化が生まれる
オフィスをつくりたい

仲暁子

ウォンテッドリー CEO
仲暁子

京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退職後、Facebook Japanに初期メンバーとして参画。2010年、現ウォンテッドリーを設立し、ビジネスSNS『Wantedly』を開発。2012年にサービスを公式リリース

「新しいプロダクトのようなゼロからイチを生み出す仕事を考えるのが自分の役目」と話す仲氏。そのためのインプットは社内外で広く行い、アウトプットのときは社内の自分の部屋に一人こもってとことん考え抜くという。煮詰める時間の先に必ずブレークスルーがあると

 いまのオフィスに移転したのは、3年前くらい。白金台と目黒の間にあった前のオフィスに近いという理由で選んだのですが、結果的に隣が国立科学博物館の自然教育園で緑が多いのが良かったです。このときは偶然でしたが、緑には割とこだわっています。緑があるとリラックスできるから会社にも緑をたくさん置いています。

 仕事は、アウトプットとインプットの時間に分かれます。人と情報交換やブレストしたりするインプットの時間は、みんなでカジュアルに話せる場所がいい。でも、事業計画や原稿などを書くアウトプットの時間は、人に邪魔されない環境で、自分の好きな音楽を聞きながら仕事をするようにしています。

 私の部屋には大きな円卓があり、それを囲んで皆でブレストをしたりもしますが、私にとってオフィスはどちらかというとフォーカスしてアウトプットする場。ただ、ずっとフォーカスしていても疲れてしまうので、変化は必要です。インプット、アウトプットのバランスをキープすることが大切だと思います。

 インプットの仕事をするときには刺激があったほうがいい。そのことも意識して、会社の一角に皆が自然と集まる場所を設計しています。コーヒーマシンやウォーターサーバー、ランチを食べられるキッチンテーブルなどがある「パントリー」と呼ばれる場所で、コーヒーを飲みたくなって行くと、同じくコーヒーを飲みに来たほかの社員と偶発的に出会います。そして「最近、どう?」みたいな会話が生まれ、情報を交換することでヒントを得ることもある。そういう偶発的に入ってくるインプットはとても大事です。

 自分から積極的に刺激を求めるときは、会社の外に出ます。視野を広げるには人と会うことが大事。私より経営歴の長い方と話をすると、多くの気づきがあります。また、カンファレンスの登壇などで海外に行くのもROI(投資利益率)が高い。自分の考え方が覆されたり、新しい視点を得るような刺激があります。

「シゴトでココロオドル人をふやす」というのがウォンテッドリーのミッションです。仕事とは辛いものではなく面白く楽しいもの。その結果として地位や経済力がついてくる。そういう新しい文化をつくっていきたくて、文化が生まれるオフィスをつくりたいと考えています。

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 いいパフォーマンスを発揮できる空間は人それぞれ。多様な人が集うオフィスは、あり方を問われている。誰もが心地よく働ける、オフィスの形は、オカムラが知っている。

写真はクリエイティブな働き方を検証するオカムラのラボオフィス「CO-Do LABO」で撮影

オカムラグランドフェア2018 WORK WONDERFUL Let IT BE. 未来の自分と、働こう。2018.11.7 WED.〜11.9 FRI. 9:30-17:30(受付時間) オカムラガーデンコートショールーム

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オカムラ
http://www.okamura.co.jp/