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HAMILTON 道をひらく人が腕時計に求める条件

もっとも信頼できるのは、「自分の感情」を動かすもの

vol.3 佐渡島庸平

2012年、クリエイターが生み出した作品を世界に届け、後世に残すためにエージェンシー企業コルクを立ち上げた佐渡島庸平氏。多くのクリエイターと数多くのヒット作を連発し、業界から脚光を浴びている存在だ。なぜ、ヒット作を生み出せるのか。その方法論や価値判断の秘訣について聞いた。

Photo/Hiroaki Sagara Text/Hiroyuki Yokoyama
制作/東洋経済企画広告制作チーム

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まだ誰も見つけていない才能を信じて大きくしていく

平時、朝8時から夜10時過ぎまで30分刻みのスケジュールをこなしているという佐渡島氏。進行中のプロジェクトに対応する一方、つねに新鋭クリエイターの発掘にも余念がない。

「ツイッターを使って、魅力的なクリエイターを探しています。今は、15名ほどの新人作家と綿密なコミュニケーションを図っているところです」

ツイッターには、クリエイターやその卵たちの書き込みであふれているが、佐渡島氏が注目するのは絵柄の表現力と言葉の強さだ。

「売れるためには、強い絵と強いセリフが必要。どちらか片方だけでは難しいんです。たとえ、絵がキレイでもセリフが強くないとキャラクターが立たず、物語をうまく伝えられません。創作物は基本的には現実を切り取って物語化するもの。それには鋭い観察力が必要で、そのあたりも本人の言葉からうかがい知ることができます。だから絵だけのインスタグラムよりも、より『言葉』の要素が強いツイッターを見ているんです」

佐渡島氏のアドバイスや漫画家コミュニティサイト「コルクBooks」での支援を受けた、クリエイターのなかには、ツイッターフォロワー数が数倍にも伸長した例もあるという。ただ、ツイッターでの発掘は、まだ売り上げに結びついてはいない。半年くらいでフォロワーが5万人にまで増えたクリエイターとは、10万人になったらビジネスを始めようと話している。まずは多くのファンとの強固な信頼関係を醸成させるために、決して焦らずに、機が熟すまでアドバイスをし続ける。

「まだ誰も見つけていない才能を見つけ、一緒に協力しあって、世に花開かせ、さらに大きくしていく。この仕事の醍醐味はそこにあって、それがめちゃくちゃ楽しいんです」

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感動を計る基準は自分の心の中にしかない

エージェントは、クリエイターの才能や作品の価値を見極めなくてはならない。その判断基準は、あくまで自分の中にしかないと佐渡島氏はいう。

「いい悪いは個人的な感性によるものであり、自分の心が動いたかどうかでしかない。他人の意見や反応は、僕の心の動きとは無関係です」

大事なのは、自分の心が動いた様子を事細かく記憶することだ。

「ただ『感動した』というだけでなく、どのような感情がどの程度湧いたのか、正確に記憶するよう心がけています。料理人による官能評価に近いかもしれません。食したときの印象に加え、旨味や酸味、甘みといった要素など多角的に評価するように、僕も作品を読んだときに笑った、泣いた、憤ったといった感情の動きを細かく分析し、それを僕の中で尺度としています」

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3年以上の単位で世間の波を掴む準備をする

エンターテインメント業界は流行り廃りが激しい世界だが、そこばかりにフォーカスしていては根本を見失うと佐渡島氏は考えている。

「最近では吉野源三郎さんの名著を羽賀翔一さんがマンガ化した『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス刊)がヒットしました。まさに『君たちはどう生きるか』という問いかけが、今を生きる人々に突き刺さった結果でしょう。流行り廃りは変わっても、『感動したい』という欲求は変わらない。あとはちょっとしたユーモアと、役立つ情報の有無です」

もちろん時流はある。時代の変化のスピードがますます加速する今、3カ月・6カ月単位でのプロモーションであふれているが、もっと腰を据えて取り組む姿勢も必要だと考えている。

「たとえば、ハンディキャップを背負った人のスポーツマンガというと、井上雄彦さんの『リアル』くらいしかない。困難を乗り越えて成長していくというのは物語の王道で、それだけで主人公性があるもの。2020年に向けて、もっと注目される分野になるでしょう。そのときに選手が大活躍すれば、メディアからの取材が殺到する。しかし今なら、取材し放題です。そういう意味で、その時々の流行りではなく、数年後を見据えて今から動き出しておく。成功までタイムラグがありますし、もちろん成功しない可能性もあります。でも、企画が楽しければ、成功まで『耐え忍ぶ』のではなく『楽しみながら待つ』ことができる。これがけっこう大事なんです」

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ファンとの深い関係がクリエイターの育成につながる

コルクでは出版社やクリエイター、消費者のすべてが幸せになれる関係を目指している。重視しているのは一時的な金銭的成功ではなく、クリエイターの一生を支えるファンを増やすことだ。

「実は『君たちはどう生きるか』はテーマは刺さったものの、羽賀翔一さんのファンを増やすという意味では、決して成功したとは思っていません。クリエイターのファンを増やすためには、まだまだできることがあると考えています」

佐渡島氏が力を入れているのが、クリエイター育成のためのファンコミュニティの形成だ。クリエイターが単発のヒットを生み出すだけでなく、魅力的な作品を継続して発表していくためには、ファンと深い関係性を築いていくことが不可欠だと考えている。

「時計ブランドとも同じだと考えています。ただ時刻を知りたいだけならスマホでもいいわけですが、それでも身につけたいのは、ブランドに対して愛着を持っているから。すなわちファンになっているからでしょう。今の時代、ブランドは従来のような社会的ステイタスを示す存在ではなく、そのコンセプトに共感し、自分の生き方や価値観を表明するツールへと変わってきているように感じています。同じ考えを持つ人と共感し、良好なコミュニティを築ければ、人生もより豊かになる。そのためあらゆる作品の作り手には、これまで以上にファンの存在が大事になるのです」

アメリカンスピリットとスイスのテクノロジーが融合したハミルトンも、126年に及ぶ歴史の中で数多くのファンから支えられてきたブランドだ。鉄道、ミリタリー、パイロット、映画スター、ミュージシャン、ファッショニスタなど、さまざまなクラスタから熱烈な支持を集めてきた。

佐渡島氏が身につけた「イントラマティック オートクロノ」は、熱望するファンの声に応え、1968年に発売された手巻きの「クロノグラフA」を復刻したモデルだ。「パンダダイヤル」との愛称を持つデザインは、モダンなアメリカンクラシックを色濃く反映している。

「クロノグラフながら、シンプルなデザインがいいですね。それに機械式らしい重厚感もある。ハミルトンがファンを魅了する理由がわかる気がします」

ハミルトン イントラマティック オートクロノ

ハミルトン
イントラマティック オートクロノ

H38416711

¥260,000(税抜)

機械式自動巻き H-31/ステンレススチールケース/ケース径40mm/サファイアクリスタルガラス/10気圧防水

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佐渡島 庸平


佐渡島 庸平

2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している。