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HAMILTON 道をひらく人が腕時計に求める条件

「誰も見ていない部分」こそ質を高める

vol.1 山崎貴

『ALWAYS 三丁目の夕日』『DESTINY 鎌倉ものがたり』など数々の大ヒット映画を世に送り出し、現在は『アルキメデスの大戦』(2019年夏公開予定)の撮影真っただ中という映画監督の山崎貴氏。時代物からアニメーションに至るまで、高い映像技術とハートフルなストーリーで、多くの人々の心をつかんでいる。そのクリエーティビティの源泉を探ると、”時間”や”細部の作り込み”といったキーワードが浮かび上がってきた。

Photo/Hiroaki Sagara Text/Hiroyuki Yokoyama
制作/東洋経済企画広告制作チーム

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2時間が「一瞬だった」と言わせたい

およそ2時間。その限られた時間の中で、一本の映画は人々に感動や驚き、興奮をもたらしてくれるが、山崎貴監督に言わせれば「時間は伸びたり縮んだりするもの」であるという。

「同じ2時間でも、長く感じるときもあれば一瞬で過ぎ去るときもある。もちろん、面白い作品ほど『あっという間』ですから、そうした感想をいただけると映画監督冥利に尽きますね」

あらゆるモノづくりに欠かせない、情熱と革新。山崎監督にとってのそれは、「誰も見たことのない世界に連れて行く」ことだ。

「逆張りをし続けているんです、僕は。『DESTINY 鎌倉ものがたり』は想像上の生き物がたくさん登場するのに物語は大人向けでしたし、今撮影している『アルキメデスの大戦』も太平洋戦争が舞台とはいえ、会議室でのやり取りがメイン。わかりやすく"売れる映画"ではないんです。だから、はっきり言って初動は悪い(笑)。でも、人は落差が大きければ大きいほど心が揺さぶられる生き物。あえて皆の予想を裏切る方向に逆張りすれば、ヒットしたときのギャップは相当に大きいですし、映画の多様性を保つ一助になると考えています」

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映画監督は結果で証明するしかない

映画監督としての戦いは、約2時間という尺に物語を収めるところにある。人気を得て、映画化が望まれるほどの原作というのは、そのまま映像化すると2時間前後には収まらないことがほとんどだ。

「物語を研ぎ澄ませる必要があります。何を撮り、何を削るか。できるだけ撮影前に整理しますが、それでも映像化してみなければ評価できないシーンがあります。たとえば、大掛かりなセットをつくって現場のスタッフが苦労して撮影したシーンでも、不要と判断すれば泣く泣く削る。映像業界では、『編集室の床に落ちたフィルムで映画はできている』といわれています」

ポジティブな雰囲気の中で撮影を進めることはもちろん大切だが、”負の感情”が渦巻くほどの苦しい編集作業を経てこそ、魅力的な映画を生み出せると感じていると言う。

「実はCG製作も地道な作業の繰り返し。僕らは冗談で"怨念がこもっている"と言うのですが、さらっとつくるよりも、苦心したCGのほうが画に深みが出るんです」

スタッフや関係者の不満を買うこともある。それでもすばらしい作品を生み出すために、苦渋の決断を下していかなければならない。山崎監督は、「理想に向かって前のめりに倒れる努力を示す」ことだけが、スタッフや関係者に報いる方法だと信じている。

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「簡単にあきらめられるところ」に情熱を傾ける

映画内においても、時間経過は重要な要素だ。クランクインした『アルキメデスの大戦』は心理サスペンス的な要素が強く、登場人物たちの駆け引きを描くシーンには、時計が効果的に使われる。

「こうした小道具には、特にリアリティが重要で、今回は博物館から当時の実物をお借りしました。とはいえ、一瞬しか映らないので、このこだわりに気づく人はほんの少しだと思います。しかし、こうした細部の積み重ねこそが映画の格を高めていくのです」

このほかにも、長距離用蒸気機関車の走行シーンを撮るために駅舎のセットを丸ごと建設したり、時代考証に忠実であるために、今では取り扱いの少ない活版印刷で名刺を刷ったりという徹底ぶりだ。「オタク」といわれる人たちをもうならせるほど、細部の演出に注意を払う。

「ただ作品を完成させるだけなら、そこまでやらなくてもいいんです。『誰も見ないよ、そんなとこ』で済みますから。でも、そういう簡単にあきらめられるところを大事にして踏ん張ることで、作品にどれだけ情熱を傾けているかが伝わり、観客にも本気度が共有される。作品としての質も高まっていくんです」

自然とにじみ出てくるものこそが個性

山崎監督のような、数々の映画監督のオーダーに応え、多くの作品に腕時計を提供してきた時計ブランドがハミルトンだ。『2001年宇宙の旅』『メン・イン・ブラック』『インディペンデンス・デイ』『オデッセイ』『インターステラー』などの名だたる作品に登場し、登場人物の個性や思想背景を映し出すキーアイテムとして活躍した。

「個性の表現は重要ですが、決して強調してはいけないんです。際立たせようとして手を加えると、わざとらしいエグ味が出てしまう。隠そうとしても隠しきれないものこそ、個性。だから僕はあくまでもベーシックな撮り方をして、自然とにじみ出てくる個性を映そうとしています」

今春に発売された「ジャズマスター シンライン オート」は、ストラップの付け替えが容易なイージークリックシステムでさりげなく個性を表現できるのが特徴だ。上品なベーシックスタイルを基本としながら、カスタム可能なカラーリングが持ち主らしさを自然と浮き立たせる。

「すごくキレイな色味ですよね。デザインにも包容力があり、どこへ着けて行っても場違い感がない。映画のキャラクターでイメージしてみると、コーヒー豆の種類まで決めているなど、自分の身の回りのものにこだわりがありそうな主義・主張がある人が選びそう。さらに言うと、スーツ姿で”ツン”としているんだけれとも、”デレ”の部分も内包していて、甘い装いも似合うような人。映画では、登場人物の凝り固まっていた意思が崩されていくという過程が描かれることが多いですが、崩れる前でも崩れた後でも着けられそうな、珍しいモデルだと感じました」

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機械式はロマンにあふれている

スリムケースに機械式ムーブメントを搭載している点も、山崎監督の心を動かした。

「これほど薄いと『クオーツかも?』と思いますが、しっかり機械式を載せている意外性がいい。機械式は、たくさんの人の手が加えられているところにロマンを感じます。放っておくとズレてしまいかねないので、持ち主にも緊張感を与えてくれる。そうすると、逆に何もしないとダメになってしまうところが、かわいくなってくるんですよ。完璧なものだと、単なる”情報”になってしまう。クオーツも所有していましたが、数年経っても正確な時刻を示していたのを見て、『君は完璧だからひとりで生きていけるよ』という気持ちになってしまいました。このモデルはとても薄いケースにまとまっていて、きっとCG製作と同じようにたくさんの"怨念"がこもっているのでしょう」

映画と腕時計。どちらも細部に情熱を注ぎ込み、苦心してつくられたモノであるからこそ、人々に感動をもたらす存在でありえるのだ。

ジャズマスター シンライン オート

ハミルトン
ジャズマスター シンライン オート

H38525721

¥104,000(税抜)

機械式自動巻き/ステンレススチールケース/ケース径40mm/サファイアクリスタルガラス/5気圧防水/4種類のダイヤルと、4種類のカラーストラップ(レッド、グリーン、ブラック、ブラウン)からファッションに合わせた組み合わせが選択可能。山崎さん着用は、別売りのグリーンストラップ ¥15,500(税抜)

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山崎 貴

映画監督
山崎 貴

1964年6月12日生まれ、長野県出身。映画監督、VFXディレクター。特殊効果を駆使した映像表現の第一人者。代表作に『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』『STAND BY ME ドラえもん』『寄生獣』『海賊とよばれた男』『DESTINY 鎌倉ものがたり』など。