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サービスの延長線上に金融サービスが融合する時代

NTTデータ
第四金融事業本部 e-ビジネス事業部
e-ビジネス営業統括部 統括部長

佐畑 大輔

 「これからの時代は、単体の金融サービスがあるのではなく、サービスの延長線上に金融がインクルードされていく」と語るのは、NTTデータ 第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 e-ビジネス営業統括部 統括部長 佐畑大輔氏だ。

 「時間や場所やデバイスを問わず金融サービスが受けられることはもちろんのこと、多様化する顧客ニーズを予測し、ユーザーが求めるものを先回りして提供するような時代が来ます。そこでキーワードとなってくるのが『見えない金融サービス』と『魅せる金融サービス』です」(佐畑氏)

 「見えない金融サービス」がどういったものかというと、これは利用しているという意識もなく、生活シーンの中で金融サービスが使われることを指している。たとえば、先日話題になったアメリカでオープンしたレジ決済不要のスーパーは店舗決済における1事例だろう。欧米ではすでに家庭の中にIoT家電が普及しつつある。現在では、在庫管理が行えるIoT冷蔵庫なども登場しており、近い将来「在庫が切れたのでネットから自動購入しておく」など自動オーダーや決済とも結びついてくるだろう。

 一方、「魅せる金融サービス」というのは、利用者や利用企業における個々のニーズを予測し、先回りして金融サービスをプッシュ型で提案するものだ。現在、スマートスピーカーを起点にした新たなサービス連携が模索されているが、たとえば住宅の物件探しをスピーカーにオーダーした場合、物件そのものの紹介もさることながら、住宅ローンの情報もプッシュで配信していくような新たなアプローチが考えられる。

 ただし、サービスの延長線上に意識することなく金融サービスが組み込まれることになったとしても、利用者保護の意識が特に高い日本では、これまで金融機関が強固な仕組みを構築してきた個人情報保護や高い水準でのシステムセキュリティが求められることに変わりはない。サービス連携というオープン化が求められると同時に強固なセキュリティも保持しなければならないという、相反する状況が生まれているのだ。

オープン化とセキュリティ確保を両立

 そこで、NTTデータが提供するのが、新たなFintechサービスを生み出すSoE基盤としてのプラットフォーム「OpenCanvas」だ。これは、クラウド環境をベースに、「API管理基盤」「AI基盤」「ブロックチェーン基盤」「認証基盤」等のPaaSを提供するもの。ここにNTTデータがもともと構築していた日本の金融機関のほぼすべてが参加する「ANSERシステム」とつなぐことで、さまざまなビジネスアイデアと金融サービスをセキュアかつ容易に連携できるという。

 OpenCanvasは具体的にはどういったことができるのだろうか。たとえば、KYC(本人確認)の情報の展開だ。銀行口座を開設する際に求められる金融機関のKYCは、顧客の身元を徹底的に確認するため信頼度は非常に高いと言える。しかし、利用者側から見れば金融機関ごとに都度KYCをするのは手間がかかり何度も受けたくないと思うのが正直なところだろう。もし一度行ったKYCの情報で、証券やFintech企業の新しいサービスなどに展開することができれば、どうだろうか。利用者側の手間が省けるためいろいろなサービスを利用することができ、また提供側も新たなビジネスチャンスを生み出すことができる。あくまで一例だが、こうしたKYC情報を共有するプラットフォーム基盤としてOpenCanvasの活用が期待できる。

OpenCanvasのコンセプト

 「セキュリティ環境にしても、不正アクセスや個人情報保護に関してFISC(金融情報システムセンター)等が定める基準をクリアしたシステム構築が必要になります。特にFintechサービスの新規参入を考えている企業様においては、基準をクリアするシステムを個別で構築するにはハードルが高い。OpenCanvasではこうした基準に準拠したクラウド環境やPaaSを提供していますので、OpenCanvasを活用いただくことで高セキュアなサービスを迅速に展開することが出来るようになります」(佐畑氏)

 また、サービスを使用できる企業規模は問わないという。Fintechサービスを考えるスタートアップ企業も、もちろんOpenCanvasの使用は可能だ。

マルチAIで高精度なサービスを実現

 今後のサービス展開でテクノロジーの主軸となるのはAIの活用だが、OpenCanvasでは、「AI基盤」として「AI Connector」を提供する。複数のAI(マルチAI)を組み合わせてサービスに活用できるのが最大の特長だ。IBMのワトソンやAmazon、Google、NTT、MicrosoftのAIが使用可能。AIといってもそれぞれ得意、不得意があり、それを切り替えたり組み合わせたりできる。こうして活用することで、開発する際の迅速化や精度の向上が図れる。

 「OpenCanvasは、“共創”が1つのテーマになっています。プラットフォームとしてのコンセプトもそうですが、当社では『OpenCanvasフォーラム』を開催し、金融機関様とFintech企業様をつなぐ共創の場を提供しています」(佐畑氏)

 2018年3月に開催された第3回のフォーラムでは、200名を超える参加者が企業規模や枠を超え集まった。金融業界の経験者よりも、IT業界出身など金融業務にあまり詳しくない人も多数参加。佐畑氏のOpenCanvasの取り組みについての講演に始まり、新規Fintechサービスの創発のヒントや、実際サービスを利用してユーザーに金融サービスを提供している企業の講演などもありイベントは大盛況で幕を閉じた。こうしたイベントを通して新しいアイデアが一緒に創出できるようNTTデータは支援を行っている。

2018年3月に開催された第3回OpenCanvasフォーラムの様子

 サービスの先に金融が融合していく時代になった現代。Fintech企業以外にも保険、証券、クレジットカードなどをはじめとした金融企業や、一般企業などもビジネスアイデアを実現するうえで金融サービスを利用していくはずだ。同社では行政やRegTechといった領域との連携も今後図っていきたいという。OpenCanvasは、企業規模や業種問わずビジネス展開をしていくうえで重要なプラットフォームになっていくはずだ。

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