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NTTデータのデータ活用のソリューション化

NTTデータ
第四金融事業本部 企画部
事業開拓推進室 部長

安倍 和夫

 取引先の企業や店舗の情報を集めるとき、どのサイトを見て、どの情報を信じるか、なかなか判断がつかないこともあるだろう。インターネットが当たり前の時代になったとはいえ検索をかけても、企業や店舗によっては公式サイトがない、外部の口コミや求人サイトだけあるなど、形式もそろっていなく信頼性のある情報かどうかわからないサイトが複数出てくることもよくあるケースだ。特に短い店舗名などは同名のものも多い。

 業務の課題、実はどの部門でも担当者が自分で情報収集をして目視確認をしていたため、かなり実務の時間を割いていた。たとえば、取引先審査の部門では1件の確認業務につき情報検索や確認などでかなり時間がかかっていた。また、営業部では、訪問先の企業の情報収集に時間がかかり、本来注力しなければならない営業活動の時間が減ってしまったというのはよくあるケースだろう。

 こうした企業の声を受けて、NTTデータが開発した「法人審査ソリューション」は、審査や営業に関連した情報収集の高度化・自動化を行えるものだ。NTTデータ 第四金融事業本部 企画部の安倍和夫部長は「公式Webサイト上はもちろんのことSNS上の情報も含め、審査項目や取り扱い禁止の商品(銃火器や輸入禁止動物など)、悪評が出ていないかなどを徹底して調べることができるソリューションです」と語る。

 WebサイトやSNS上から該当店舗情報を収集。審査に必要な項目、評判や取扱商品情報などを抽出したうえで、担当者に収集結果や分析結果を提示するというものだ。判断部分ではなく収集作業にAIを活用しているという。同社 技術開発本部の樋口晋也課長は「AIを使って審査業務を効率化しようとすると、一般的には最終的な審査の判断部分にAIが使われがちです。ですが、お客様の声から実際は判断の前の情報収集の場面にこそ時間がかかることがわかり、情報収集にAIを使い業務の効率化を図れるようにしました」。

 部門の審査項目によっても異なるが、導入企業の例ではたとえば担当者が1件につき30分以上かかっていた情報収集作業を、ソリューション導入によって自動的に数分で終えることができるという。人が目視で行っていたものが、AIによる自動化により短時間で済むことで、より複雑な判断や企画などのほうに時間を割くことができるようになる。同社 第四金融事業本部 企画部 山本裕子課長代理は「審査する際、各店舗でバラバラに作られたWebサイトやSNSなど定型でない情報も多く存在するため、必要な審査項目などを自動でピックアップするのはとても大変なことでした。それまで世の中にはない仕組みだったので、構築はかなりチャレンジングな取り組みでした」と開発当時を振り返る。

NTTデータだからこそ実現できた技術

NTTデータ
技術開発本部
エボリューショナルITセンタ
AIソリューション開発担当 課長

樋口 晋也

 こうした情報収集の自動化によって、購買、営業、マーケティングなどさまざまな部門で業務効率化が可能になるが、実際のところ情報収集の精度も気になるところだ。NTTデータは数多くある情報から正しいサイトを特定し、確認項目を抜き出す技術を実現している。

 何度も何度も地道にサイトクローリングを重ね精度を上げていきながら、同社の研究所で積み重ねた日本語解析の技術やAIの機械学習を活用し、Webサイト上のテキスト情報を細かく分解。その上でテキストに意味情報を加え、審査や確認に必要な情報を適切に抜き出すことを可能にした。

 また、画像情報解析の技術も視野に入れている。「たとえば銃や薬の写真やイラストからも取り扱い禁止の商品がないかなど、AIの画像解析技術を用いて、自動判定ができないか、またAIとOCRを使って画像化された文字列も読み取ることにもチャレンジ中です。今後これらの技術も法人審査ソリューションに活用できればと思います」(樋口氏)

 法人審査ソリューションでは、またこうした技術を実現するために、画像など非構造データの管理にも強い米MarkLogicのNoSQLデータベース「MarkLogic Server」を用いている。

ソリューション活用によって
どのようにビジネスが加速するか

NTTデータ
第四金融事業本部 企画部
事業開拓推進室 課長代理

山本 裕子

 「法人審査ソリューション」は購買、営業、マーケティングなど企業のビジネスを加速させるうえでの重要な部門ですでに導入されているが、実際どのような活用が行われているのだろうか。

 「これまで営業担当者が新聞やWebニュースから情報を毎日集めていたものを本ソリューションで自動化し、本来の営業業務により注力されようとしています」(山本氏)

 「クレジットカード会社様では、規模によっては100万件レベルの既存加盟店様の途上管理として、ニュース記事から不正や倒産情報などの定期的なチェックに本ソリューションをご利用いただいています。ニュース記事になったものではなく、それ以前の予兆を知りたいというご要望もいただいておりますので、今後はAIを活用しながらチャレンジできればと考えています」(安倍氏)

 さまざまな業種で導入されているが、クレジットカード会社や銀行など、審査における「信頼性」が非常に求められる業種の会社でも導入されていることが、「法人審査ソリューション」への信頼度合いがうかがえるところだ。そのため、日本のみならず導入企業の海外支社からも好評で、グローバル展開も今後視野に入れているという。国内外問わず知りたい信頼性のある情報を取ってくる、まさにIntelligent Crawlingと言えるだろう。

 審査や営業など、実際の業務の前の情報収集段階で時間がかかっていることが多い。その部分を、いかに質を担保しつつ効率化するかによって、競合とのビジネスの勝敗も決まっていくだろう。NTTデータでは、確かな要素技術を新たなアイデアでソリューションとして形にし、企業のデジタルトランスフォーメーションを推し進めていく。

「法人審査ソリューション」で今後期待できること

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