大手予備校「代々木ゼミナール」や進学塾「SAPIX」を展開するSAPIX YOZEMI GROUPを率いる髙宮敏郎氏。有名校の合格実績は、つねにトップクラスという業界注目の企業で経営を担う髙宮氏の毎日は、まさに超多忙である。「そのルーティーンを支えるのが……」と見せてくれたのが、ゼニスの時計だった。

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　いつの時代においても教育が重要課題なのは、若者がその国の未来を左右するからだ。しかもグローバル化の進展で、次代を担う子どもたちに求められる能力は大きく変化し、多様になっている。これまでの知識の習得、活用にとどまらず、論理的思考力や表現力、創造力が必要になっている。

　そうした中で、SAPIX YOZEMI GROUPの強みは、幼児教育から中学・高校・大学受験まで志望校の合格を支える一貫した指導体制を構築していることにある。有名校への合格者数は、つねにトップクラス。経営を担う髙宮氏は、単なる受験指導の枠を超えて「社会で活躍できる人材の育成を目指している」と話す。

　最近では、長年積み重ねてきたノウハウを結集して、高校や大学の授業をサポートすることも多いという。教育に大きな変革が求められる中で、塾・予備校業界が持つ力に大きな期待が寄せられているのだろう。とはいえ少子化が続いており業界の競争は激化している。その中で経営を引き継いだ髙宮氏は、M&Aを含めた成長戦略で攻勢をかける。昨年には、オンライン英会話のベストティーチャーをグループ化し、英語４技能育成の体制をさらに強化。いま社会が求める「グローバル時代を担う人材育成」に貢献すべく、事業展開を加速する。

　そんな髙宮氏の腕元に存在感を放つ時計があった。

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　「ある日、駅の地下道を歩いているとザ・ローリング・ストーンズとゼニスのコラボレーションの広告が目に留まったんです。結婚以来、私は家内からもらった時計を使い続けていたのですが、ストーンズ・コレクターの端くれとしてこれは見ておかなきゃと思いBEST新宿本店に行ってみたんですよ」

　そこで出会ったのが、ゼニスの「エル・プリメロ クロノマスター ザ・ローリング・ストーンズ」だ。「いくらストーンズ好きでも、趣味が合わない高価なものは買わないのですが、実物を見ると本当に格好良くって一目惚れしてしまいました。その後、発売されたブラックとスケルトンのモデルも、家族に内緒で買ってしまいました」

髙宮 敏郎

SAPIX YOZEMI GROUP
共同代表

髙宮 敏郎

最近その素晴らしさに目覚めたゼニスと偏愛するザ・ローリング・ストーンズのコラボレーションに夢中

　髙宮氏は、それが昨日のできごとのように、楽しそうに話してくれた。ご本人は「ゼニス歴は浅い」と謙遜するが、限定品しかもゼニス好きには堪らない、レアな超人気モデルを3本も持っているのだから立派なゼニスオーナーだ。気が付けば、この「エル・プリメロ」が結婚プレゼントから主役の座を奪い、いまでは日々のオン・オフを決める存在なのだとか。

　「着けると仕事するぞ、とスイッチが入りますね。時間を有効に使うにはルーティーンが大切だと考えています。起床時間は毎朝午前3時。出勤時間も決まっていて、その後も時間を区切って仕事をしています。午前中は代々木ゼミナールの仕事、お昼を挟んで午後がSAPIXの仕事、それ以降が取材などメディアの仕事といった具合です。年間70回を超える出張の際は、新幹線でも飛行機でも始発に乗ると決めています」

　自分のルールを守ることで、余分なエネルギーを使わずに仕事に入っていけるというわけである。とても理にかなっている。髙宮氏のスケジュールは、相当にハードである。だから、効率を追求することが自然になっているのかもしれない。それは学生の勉強についても同じことが言えるのだという。

　「勉強ができる子というのは、勉強することが自然になっているんです。規則正しく学校の宿題をするとか、早くからル－ティーンが出来上がっている子は強いですね。時間の使い方も重要で、うまく使っている子の方が合格率は圧倒的に高いのです」

　髙宮氏は続ける。「今後は、子どもたちが夢を叶えられるようグループの基盤を一層強化していきます」。超多忙ながらも、教育に携わる誇りを力に変えているようだ。そのルーティーンを支えるゼニスも、ひときわ美しく見える。髙宮氏は、一見、とても合理主義的に見えるが、そう感じるのは時間の使い方やルーティーンのところだけで、他のことはとても人間くさい。それは機械式時計ならではの個性を尊び、「エル・プリメロ」について熱く語るその様子にもよく表れている。