アルプスの山々に抱かれ、美しい自然に囲まれたスイス。列強に囲われ、幾多の戦火にさいなまされても自主性を保ってこられたのは、優れた"モノ作りの力"があったからだ。天然資源が豊富にあるわけでも、大きな国土を持っているわけでもなく、人の手を介した"モノ作りの力"で身を立てていく。似た境遇に置かれた日本人が、不思議とスイスにシンパシーを感じる理由がそこにあるのだろう。

スイスのモノ作りを語る上では、ビクトリノックスが提供するマルチツールが欠かせない。スイス政府が公認したことで、国旗と同じ白十字の紋章をロゴとしたマルチツールは、アウトドアショップはもちろん空港の土産物屋まで、同国内のありとあらゆる場所で目にすることができる。

ビクトリノックスの歴史は、1884年にまで遡る。スイス・シュヴィーツ州イーバッハにワークショップを開設したカール・エルズナーが、革新的なアイデアと高い技術力を元に、多彩な機能を持つコンパクトなマルチツールを開発。機能性を追求することにより実現した実用性・デザイン性の高さから、評判はあっという間に広まっていった。その後もユーザーのニーズや時代の要請に応えるように進化を続け、スイスを代表するブランドに成長している。

やがて、多機能で実用性のあるプロダクトを提供しようという思いはマルチツールに留まらず、キッチンナイフや時計、アパレル、フレグランス、そしてバッグといった領域まで拡大していく。特にビジネスバッグは、マルチツールのフィールドで培われた経験や技術を活かし、ハイレベルな機能性や耐久性を実現。ノートPCやタブレットなど、さまざまなツールをマルチに活用せざるを得なくなった現代のビジネスパーソンたちに、理想的なビジネスバッグを提案している。

この春には「ワークス プロフェッショナル」シリーズの新作が登場し、新たな選択肢を用意した。

さまざまなビジネスシーンにフィットする機能美

モデルカット1
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ジャケット¥39,000、シャツ¥12,000、パンツ¥16,000、時計¥92,500/すべてビクトリノックス(Tel.03-3796-0951 税抜価格)

モデルカット2
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ジャケット¥32,000、ポロシャツ¥12,000、パンツ¥16,000/すべてビクトリノックス(Tel.03-3796-0951 税抜価格)

新しい「ワークス プロフェッショナル」シリーズの中で最も軽量・コンパクトなのが、この「テクニシャン13」だ。

ビクトリノックスのビジネスバッグといえば、防弾チョッキにも使われている頑丈なバリスティックナイロンのイメージが強かったが、本シリーズではリップストップナイロンを採用。ビジネスバッグとして十二分の耐久性を誇っており、なにより圧倒的に軽く仕上げられている。中綿を入れたボンディング加工によってやわらかな風合いを出しつつ、メタル調のプラスチックファスナーをフロントファスナーに使用することで高級感を演出した。

軽快さのあるリップストップナイロンと質感のあるハンドルを合わせたスタイルは、コーディネートの幅も大きく広げる。王道のスーツスタイルにふさわしいフォーマル感を宿しつつ、ジャケパンスタイルに求められる一定の華やかさやヌケ感にも呼応。シンプルながら個性のあるデザインは、ビジネスのさまざまなTPOに応えてくれる。

商品カット1 商品カット1 商品カット1
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約W39×H27×D10cm 約0.83kg 約9L ¥27,000/ビクトリノックス(Tel.03-3796-0951 税抜価格)

持ち歩く荷物が減少していく傾向を踏まえ、奥行き10cmというスリムマチで設計。薄くしつつも、メイン収納内には13インチノートPC&タブレットポケットを据え、スマホや手帳、正面にはペンなどを整理できるオーガナイザーつきポケットを備えるなど、ビクトリノックスの顔である“実用性の高さ”はしっかり堅持している。背面にもポケットがあるとともに、キャリーバーを通すスリットもあり、トローリーケースの上にセットアップすれば出張時に便利だ。

着脱可能なショルダーストラップも付属する。手提げハンドルのグリップ部分にはやわらかなクッションを当ててあるので、長時間握っていても痛くなりにくい。

コンパクトながら優れた実力を秘めたモデルであり、仕事をスマートにこなしたいビジネスパーソンに向きそうだ。

アクティブなビジネスに応えられる3WAYモデル

モデルカット1
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コート¥49,000、シャツ¥12,000、パンツ¥16,000、時計¥72,000/すべてビクトリノックス(Tel.03-3796-0951 税抜価格)

商品カット2 商品カット2 商品カット2
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約W44×H30.5×D16cm 約1.52kg 約19L ¥38,000/ビクトリノックス(Tel.03-3796-0951 税抜価格)

バッグを背負って行動するスタイルがビジネスシーンにも浸透しはじめたことで、注目を集めているのが3WAYモデルだ。「エンジニア」は、そうしたアクティブに活動したいビジネスパーソンのニーズに応える形で開発された。

ハーネスは背面ポケット内に収納され、未利用時は3WAYモデルとはわからないほど端正な表情。しかしハーネスは人間工学に基づいた立体的かつクッション性の高いデザインで、長時間の利用でも背中や腰に負担をかけづらい構造になっている。こうした点は、マルチツールで培ったユーザーの使い勝手を追求するもの作りの精神が活かされているようだ。また手提げ用ハンドルは、近くのポケット内に格納することができるので、この部分が障害物に引っかかって不意に転倒してしまうというような事故を防げる。特に自転車走行時に引っかかると大事故につながるので、こうした配慮はうれしい。

メイン収納は2気室仕様。前室は書類などを入れやすいササマチ付き三方開き仕様で、15インチノートPC&タブレットを入れるポケットを備えている。ササマチは取り外せて、フルオープンにもできる。南京錠などでロックできるファスナーなので、セキュリティも高められそうだ。後室は、荷物を固定するディバイダー付きのL字ファスナー仕様。タテの状態でもヨコの状態でも、中にアクセスしやすいのが特徴だ。

その他、正面にはオーガナイザー付きポケット、背面にはキャリーバー通しを備え、さまざまなビジネスシーンに対応する。

まさに、ビクトリノックスらしさが体現された3WAYモデル。高機能ながら軽量に仕上げられているので、身体も心も軽やかにいけそうだ。