スイスの高級時計ブランド、タグ・ホイヤーが発表したコネクテッド・ウォッチが今、注目を集めている。昨年販売予定数は既に、というかあっという間に完売。今年の入荷の発売が待たれる、という状態なのである。
このコネクテッド・ウォッチは、昨年の「バーゼルワールド2015」で、もっとも大きな話題となっていた。なぜなら、フュージョンコンセプトを考案しウブロを大躍進させた時計界の巨人、ジャン- クロード・ビバー氏がタグ・ホイヤーのCEOに任してから始まった一連の大きな仕掛けを代表するプロジェクトだったこと。そして、スイスメイドを模索するメーカーが多いなか、明確にグーグル、インテルとの共同開発を発表したからである。
歴史あるスイスの高級時計メーカーとシリコンバレーの先端技術の融合がどんなものになるのか? という興味は、いやが上にも高まっていったのである。

それから約8ヶ月。2015年11月にニューヨークで「タグ・ホイヤー コネクテッド」ウォッチは発表された。まず、印象に残ったのは、しっかりとした腕時計だ、ということ。スマートフォンと一緒に利用するモノというよりも、しっかり時計として成立していて、腕時計としての利用が大前提。追加でスマートフォンという連携機能を備えるという感じなのである。
つまり、スマートフォンが、主ではなく従という形になっている。だから、スマートウォッチではなく“コネクテッド・ウォッチ”。最先端の技術が内包されてはいるが、あくまでも腕時計であって、たんなるスマートデバイスではない。タグ・ホイヤーの時計メーカーならではの気概が、このネーミングには込められているのではないだろうか。

直径 | 46mm |
---|---|
厚さ | 12.8mm |
重さ | 52g |
- ・サテン仕上げチタニウム製水平および垂直ラグ
- ・3Dの立体的なサテン仕上げの数字
- ・防指紋コーティング、サンドブラスト加工とブラックカーバイドコーティングを施したチタニウム製ベゼル
- ・サテン仕上げとブラックカーバイドコーティングを施したラインと立体的なタグ・ホイヤー ロゴ付のチタニウム製シングルプッシュボタン
- ・防水/防塵性:IP6
- ・価格17万円(税抜)
- ・保証期間2年/保証期間の終了後に、機械式自動巻き時計のカレラ・ウォッチと交換することができる。(有償、1,500米ドル程度を予定)
そして、もうひとつ腕時計であることを実感させてくれるのが、腕時計としての造形、デザインである。
直径46mmとやや大きめのケースだが、ケース厚は12.8㎜に抑えられている。従来のタグ・ホイヤーのモデルたちと同じように作られていて、仕上げもよく、デザイン的にも遜色ない。ケース素材のグレード2チタンは軽く、装着感もいい。万全の着け心地は時計メーカーならではである。
さらに嬉しいのは、ダイヤルデザインのベースが人気モデル「タグ・ホイヤー カレラ」になることである。
タグ・ホイヤーには、草創期よりいち早くストップウォッチやクロノグラフといった、スポーツウォッチの分野に乗り出し、より正確な計測を行うために改良を重ねることで発展してきた経緯がある。そんなタグ・ホイヤーにあってとても重要で、もっとも人気の高いコレクションがカレラである。いつの時代にも受け入れられるデザイン性の高さは、タグ・ホイヤーの現行シリーズのなかでも特筆すべきのものだ。
カレラのダイヤルデザインの特長は、多くの情報をダイヤル上に表示しながら、とてもシンプルで優れた視認性を有しているところにある。さまざまな情報がダイヤルに表示されるコネクテッド・ウォッチには最適なダイヤルでもある。今回、デジタルウォッチフェイスとして、3針、クロノグラフ、GMTの3つのバリエーションが各3色(ブラック、ホワイト、ブルー)用意され、全部で9種類の表情が楽しめる。

そんなスイス時計の要素が満載な外観やデザインのコネクテッド・ウォッチだが、中身はインテルの技術とAndroid Wearの世界が満載である。まず、連携するスマートフォンにAndroid Wearを導入し、相互にBluetoothでペアリングする。そうすれば、必要に応じてアプリなどが更新され、通知機能をオンにすればネットからの情報が腕時計に通知されるようになる。
メールはもちろん、Facebook、LINE、ニュースやマップ、歩数計、サッカーやランニングをはじめとしたスポーツのデータなど、現在スマートフォン上で実行したり情報を読み取ったりしていることの大半を、腕元のコネクテッド・ウォッチ上で対応することができるのだ。そして、それは時計のディスプレイにタッチしたり、OK Googleを起動して話しかけるという簡単に操作によってなされるのである。
-
Fitness
万歩計、距離などライフタイルの中での活動を把握。この基本的な機能は多くのアプリケーションと連携する元となる。
-
Ranger
一般のアウトドア系ウォッチにもう頼ることはない。他の機能同様、スモールセコンドの位置をスマートに活用した視認性が秀逸。
-
Golf
いま注目の女子ゴルファー、ジェシカ・コルダ(米)をサポートするタグ・ホイヤー。ゴルフ仕様は提携コースのデータとともにラウンドで活躍する。
-
Bundesliga
タグ・ホイヤーは2015年より独ブンデスリーガとパートナーシップを結んでいる。試合経過や時間経過など、試合の様子をインフォメーションしてくれる。
-
Fitness
万歩計、距離などライフタイルの中での活動を把握。この基本的な機能は多くのアプリケーションと連携する元となる。
-
Ranger
一般のアウトドア系ウォッチにもう頼ることはない。他の機能同様、スモールセコンドの位置をスマートに活用した視認性が秀逸。
-
Golf
いま注目の女子ゴルファー、ジェシカ・コルダ(米)をサポートするタグ・ホイヤー。ゴルフ仕様は提携コースのデータとともにラウンドで活躍する。
-
Bundesliga
タグ・ホイヤーは2015年より独ブンデスリーガとパートナーシップを結んでいる。試合経過や時間経過など、試合の様子をインフォメーションしてくれる。




また、先に述べたダイヤルデザインもカレラベースのもの以外に、錦織圭やクリスティアーノ・ロナウドなどタグ・ホイヤーのアンバサダーデザインのものや、仕様さえ合えばAndroid Wearにある多彩なダイヤルデザインを使うことも可能となる。日替わりでダイヤルデザインを変更できるなんて、コネクテッド・ウォッチでしか味わえない楽しさではないか。
「タグ・ホイヤー コネクテッド」は、黒のほかホワイト、グリーン、ブルー、レッド、イエロー、オレンジという6色のカラーストラップもある。
ダイヤルカラーとのコンビネーションも含め、ますます楽しい腕時計になっているようだ。


このコネクテッド・ウォッチは、分野としてはスマートウォッチという新しいカテゴリーに入れられているのかもしれないが、明らかに従来のスマートウォッチとは違うものだ。
それは、その軸足を伝統的なスイス時計の世界に残しているからだろう。
装着感、素材、ストラップにこれまで培ってきた経験が活かされ、常に装着して使用するという腕時計本来の姿がそこにはある。たんにスマートフォンの情報を見やすい位置に着けた、というディスプレイ的な発想とは大きく異なるのだ。
これまでスマートウォッチは時計とは別物と考えていたが、この度のコネクテッド・ウォッチは、新しい腕時計とはっきり認識できるものであった。つまり、タグ・ホイヤー コネクテッドは、シリコンバレー製の新しいムーブメントを搭載した新作時計ということになる。
取り扱い店舗はエスパス タグ・ホイヤー、タグ・ホイヤーギャラリーを中心に一部店舗で展開している。詳しくは問い合わせを。

2016年5月には、さらに新しいシリーズが登場する!
スポーティなラバーバンドに加え、レザータイプとチタンブレスレットがお目見えだ。
コネクタブルな機能がビジネスシーンに活躍することを考えると、このラインナップは嬉しいニュースである。
5月発売予定 予定価格各19万円(税抜)