ソーシャルメディアの発達により、個人が気軽に情報発信ができるようになった。企業にとっては、クチコミなどにより一気に認知度が広がるといった収益拡大面の期待ができる一方で、いわゆる「炎上」などのリスクも高まっている。
むろん、多くの企業ではソーシャルメディアへの対応を重視しているだろう。だが、実際の取り組みは「難しい」と答える企業が少なくない。
大きな要因として、ソーシャルメディアは突然、意図せずに情報が拡散する傾向があるとともに、その理由がなかなか見えづらいからだ。
最近になって、この課題を解決する新しいサービスも登場している。デロイト トーマツが提供する「Webモニタリングサービス」は、企業名や商品名などをキーワードに、自社の「反響」や「風評」を確認できるというものだ。特定の情報の急上昇をアラートするだけでなく、デロイト トーマツの総合力を生かし、論理的に対策を打てる仕組みづくりができると好評だ。
評価の理由はどこにあるのか?架空の(とはいえありがちな)ケースで分析してみる。


食品メーカーA社では、会社の新規事業としてミネラルウォーター「命の水」※の発売を開始したが、売上は思うように伸びていない。
マーケティング担当者には社内から「広告宣伝の訴求がよくない」、「そもそも商品自体の競争力不足」といった声が集まっている。なぜ売上が伸びないのか、分からないままでいる。
従来であれば、それを検証するためには、「アンケートやグループインタビュー」、「お客様相談室の情報を分析」といった手法しかなかったが、最近になってソーシャルメディアの情報を活用し、さまざまな施策を打てるようになってきた。
「商品名」、「味」「パッケージ」、「広告」、「キャンペーン」などについてソーシャルメディアで集めた大量の情報で仮説を補強できるようになったからだ。競合商品も含めた反響確認を行うことで、より論理的な対策が検討できるはずだ。
※説明のための架空の商品名であり、実在の商品とは関係がありません。
お客様相談室に「ネットで、『命の水』を飲んだら病気が治ったと社員が書いているそうだが本当か?」という同一の問い合わせが3件あった。
調べてみるとその事実は確認された。A社にとっては寝耳に水だ。いったい何が起こっているのか理解できないことだろう。
ホームページでの意見表明など、何らかの公式コメントを出すべきか、現時点では小規模であるため悩むところだろう。アカウントが従業員のものと特定できるかを確認するとともに、マイクロブログの拡散状況や論調もあわせて、意見表明の必要性を検討することが大切だ。手をこまねいていれば、不穏な情報は広がってしまう。
例えば、カスタマーサポート部門では商品の不具合に関するクレーム、リスク管理部門では内部からの情報漏洩、人事部門では「ブラック企業」といった求職者の評判に直結。だからこそ検知することが企業にとって必須なのである。

「有事」になってあわてるのではなく、「平時」から生の声を収集し、未然の対応を行うことが重要だ。むろん、有事の際の情報開示や事後対応でも、Webモニタリングは欠かせない。
突然の反響拡大に「寝耳に水」、「理由が分からない」と右往左往しないためには、さまざまな業務に「反響確認プロセス」を構築することが大切だ。
業績向上面、風評面の違いを問わず、多様な部門の業務に役立つ。「反響確認プロセス」の基本となるのが、Webモニタリングである。ソーシャルメディアの投稿内容をキーワードから自動抽出することで、リスク管理やマーケティング、セキュリティ調査やカスタマーサポートなどに利用できる。
デロイト トーマツの「Webモニタリングサービス」なら、キーワードの設定に基づき、過去の投稿も検索することができる。1回につき1万件までのダウンロード機能を有しているため、自社のローカル領域で独自の分析をすることも可能だ。さらにセンチメント(感情)分析、プロフィール分析などの参考情報の提供機能も付属している。







「Webモニタリングアラート」※は、「炎上」や「祭り」といった、マイクロブログなどソーシャルメディアにおけるリスクの兆候を早期発見するサービスだ。 Eメールアドレスとキーワードを設定するだけで、デロイト トーマツが設定したリスクサイトを巡回し、同社が定める基準に応じてアラートメールが送信される。ログインなども不要だ。わかりやすく、手間も要らない監視ツールである。 「Web監視のために人手を割くまでは手が回らない」という会社は便利に使えるだろう。 ※「Webモニタリング アラート」はデロイト トーマツ リスクサービスが登録する商標です。 |
「Webモニタリング」の内容をさらに吟味したいと考える企業に好評なのが、「Webモニタリング有人監視サービス」だ。 その名のとおり、幅広い媒体を専門家による目視のマイニングによって監視し、報告する。企業の要望に応じて、監視対象、監視時間、報告タイミングなどを柔軟にカスタマイズすることが可能だ。 たとえば、社外の報道モニタリングのほか、スポットレポート(反響確認)、特定テーマクリッピングのほか、社内従業員のアカウント監視・個人特定など多様な対象と目的に応じて活用できる。 |
「自動収集サービス」は、ソーシャルメディアなどの情報をアーカイブ化し、任意のキーワードに基づいてグラフ表示するサービスである。 インターネットに接続できるPCがあれば、ソフトウェアのインストール不要でどこででも利用できる。 過去13カ月にさかのぼったデータからキーワードを自由に設定し、折れ線グラフなどでわかりやすく表示できるので、反響の時系列変化が一目瞭然で把握可能だ。 ポジネガ分析、クラスタ分析などもできるので、自社の反響に影響する意外なキーワードを発見することもできるだろう。 |

ソーシャルメディアの普及により、企業にとっては顧客接点の増加などのメリットが得られるとともに、メディアの炎上や守秘情報の漏洩などのリスクも高まっている。これらに対応するには、各部門が個別にアカウントを管理している状態では適切な対応ができないだけでなく、むしろリスクを拡大させることにつながりかねない。
ソーシャルメディアの対応においては、「モニタリング」から「運営組織の整備」、「方針・規定などのルールの整備」、「社内教育の実施」、「エスカレーションフローの運用」までの一貫した対応体制整備が必要である。


ニーズの高まりに応え、Webのモニタリングサービスやツールが数多く登場している。もちろん、モニタリングは、ソーシャルメディア対応の基本だが、まさに「入口」に過ぎない。大切なのは上記で述べたように、ソーシャルメディアに対応できる全社的な体制を整備することだ。
その点で頼りになるのがデロイト トーマツだ。高品質な反響確認や監視を手ごろな予算で導入できるだけでなく、グループの総合力で、平時、有事に「何をすべきか」適切なアドバイスを提供してくれる。
ソーシャルメディアポリシー作成や社員研修などのほか、内部通報ホットラインの整備、万一不祥事が発生した場合の「クライシストレーニング」などまで、文字どおりワンストップでサポートするのが特長だ。
これからソーシャルメディア対応の対策に取り組みたいという企業、あるいは、すでに対策に取り組んでいるがさらに高度化を目指したいという企業、いずれにも、デロイト トーマツは相談しがいのあるパートナーになりそうだ。